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TWICE作曲家が手掛けるグループ「STAYC(ステイシー)」デビュー! 思い出すソウルでのあの言葉

HIGH-UP ENTERTAINMENT(本稿写真すべて)

2020年11月20日の18時。K-POPの6人グループ「STAYC(ステイシー)」がデビューした。

デビュー曲となる「SO BAD」の作曲およびプロデュースを手掛けたのが、TWICEの「TT」などで知られるブラックアイド・ピルスン。振り付けがBLACKPINK、TWICE、IZZYなどで知られるKiel Tutinら、さらに公式MVはSUPER JUNIOR、チョンハ、SEVENTEEN、NCT 127、(G)I-DLEらのMVを手掛けたRigend Filmによるものだ。

2020年11月12日18時公開の「SO BAD」

まあ、本日韓国で行われるショーケースの様子は別の媒体がレポートするだろう。

ここでは、筆者が昨年夏にインタビューしたブラックアイドピルスン先生の言葉から、あれこれと考察を。

「まったく新しいコンセプトのグループになりますから。ご期待を」

昨年夏、ソウルでこんな話を聞いていた。TWICEの「TT」「LIKEY」「CHEER UP」やチョンハの「ローラーコースター」を手掛けたユニット、ブラックアイドピルスンのラド先生の言葉だっただけに、ずっと気にかかっていた。自ら新しいガールズブループをプロデュースするのだと。

それが、12日に「SO BAD」でデビューした6人組ガールズグループ「STAYC」だ。グループ名は「Star To A Young Culture」の略だという。

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この話題を聞くに、約1年前のインタビューの内容を思い出した。

強く印象に残ったのが、先生が日常からK-POPのメインターゲットたる”若い層”のニーズを読み解くことを心がけている話だ。

インタビューに応じてくれたラド先生は1984年生まれで、今年34歳。「自分の好きな曲を書くんだったら、それが一番簡単ですよ。ああビール、美味いって書けばいいんですから」という。言ってしまえば、おじさんの入り口にある。

そんな彼は、”何気ない一瞬”をすごく大切にしている印象だった。

例えば、会社(ハイアップエンターテインメント)の若い女性社員や作曲作業に携わる男性スタッフらとの何気ない会話。食事中などには、何気なく彼氏・彼女の愚痴が出てくる。そこをピピッと察知して、若い人の心情を分析する。そして楽曲に採り入れていくのだという。

代表曲たるTWICEの「TT」は、一緒に仕事をする若い作詞家が凹んでいた時に、「アウディ」の「TT」が通りかかった。「あ、これ使えるな」と思ったところが発端だったという。

さらに自らを「多様な楽曲を書けるタイプ」とも言っていた。ここ数年は「ガールズグループが”変化が必要”という時に自分たちに依頼してきてくれて嬉しい」と言っていた。時代を読み、そこに合わせてコンテンツを作っていく。そういう姿勢を知った。

もっと言うと、あの10代の女性心理を見事に歌い上げるTWICEの楽曲数々を「坊主頭のおじさん」が作っていることが衝撃だった。素直にカッコいいと思った。それでいてデビュー当初のTWICEを見た時の印象を「はっきりいって可愛かった」と言い切る感覚も、大好きになった。

HIGHUP ENTERTAINMENT
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だから12日にデビューしたての「STAYC」の話を聞いた時、プロデュースを手掛ける彼らが感知してきたものから「何を選ぶのか」にすごく興味があった。

プレスリリースにはこう記されていた。

「TEEN FRESH(ティーンフレッシュ)」

そしてCD版のアルバム購入時に特典としてついてくるという

「オフィシャル・パーフューム」(試香紙に「公式の香気」がついてくる)

HIGHUP ENTERTAINMENT
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確かに一番年上のスミンとジウンが19歳、一番年下のジェイは15歳。全員10代のグループだ。これは筆者の推測だが、流行りの「ガールズクラッシュ」の一歩先を行く、特化された新しいコンセプト、という狙いがあるのではないか。さらになかなか良いニュースの少ないこのご時世、彼女たちにしか出せないフレッシュさこそが、ニーズに応えるものだと。

プレスリリースにはある言葉が繰り返し使われていた。

「新しいグループイメージ。6人全員がセンターを務めても遜色のない優れたビジュアル、瑞々(みずみず)しいティーンフレッシュをふんだんに発揮している」

「優雅であり、かつ少女の瑞々しいティーンフレッシュ」

そして「オフィシャル・パーフューム」については「少しでも彼女たちのフレッシュさが長く記憶として残るように」という思いが込められているという。

ただし、瑞々しくとも、未熟ではコンテンツとして成立しない。

6人のなかには韓国内の他の事務所で練習生として過ごしたメンバーも多い。これに加えプレスリリースには「脱新人グループ」というフレーズも入っていた。この”弱点”克服には強い自信を持っているのだ。根拠はここにある。

「メンバー6人はブラックアイドピルスンが設立したハイアップエンターテインメントで3年間の熾烈で厳格なトレーニングを通じて選ばれたメンバー。実力が検証されたしっかりとした技術でデビューに向けた期待感が高まっている」(プレスリリースより)

デビュー前から何通も韓国からプレスリリースが届いたが、いよいよ勝負の日、12日朝に届いたものには、デビュー曲の「SO BAD」について、こんな説明があった。

「ぎこちない愛の始まりだけど、自身の気持ちを隠す10代の堂々たる表現を歌った」

実績あるヒットメーカーが「これこそが時代の要求するトレンド」という形が、STAYCによって表現されていくだろう。時代の代弁者となり、かつ「ティーンフレッシュ」という”瑞々しさ”に特化したコンセプトが花開いていくだろうか。今後が楽しみなグループだ。

―メンバー紹介―

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スミン 2001.3.13

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シウン 2001.8.1

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アイサ 2002.1.23

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セウン 2003.6.14

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ユン 2004.4.14

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ジェイ 2004.12.9

吉崎エイジーニョ ニュースコラム&ノンフィクション。専門は「朝鮮半島地域研究」。よって時事問題からK-POP、スポーツまで幅広く書きます。大阪外大(現阪大外国語学部)地域文化学科朝鮮語専攻卒。20代より日韓両国の媒体で「日韓サッカーニュースコラム」を執筆。「どのジャンルよりも正面衝突する日韓関係」を見てきました。サッカー専門のつもりが人生ままならず。ペンネームはそのままでやっています。本名英治。「Yahoo! 個人」月間MVAを2度受賞。北九州市小倉北区出身。仕事ご依頼はXのDMまでお願いいたします。

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