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チャイニーズ・タイペイが韓国を下す!! 日本に金メダルのチャンス【第18回アジア競技大会野球が開幕】

横尾弘一野球ジャーナリスト
第18回アジア競技大会の野球が開幕。チャイニーズ・タイペイが韓国に辛勝した。

 第18回アジア競技大会の野球が、8月26日にインドネシア・ジャカルタで開幕した。21日から現地で実施されたタイ、スリランカ、ラオスによる予備戦を勝ち抜いたタイを加えた8チームによる戦いは、4チームずつ2組に分かれて総当たりのリーグ戦を行ない、上位2チームが別組の上位2チームと対戦。通算勝率1、2位による決勝と同3、4位による3位決定戦でメダルの色が決まる。

 球場や開始時間が事前に発表されたものから変更されるなど、やや混乱気味の中で始まった一次ラウンドで、日本はパキスタンを15-0の6回コールドで下し、タイを15-0で一蹴した中国と、A組1位をかけて27日に対戦する。

 一方のB組では、初日から優勝候補の韓国とチャイニーズ・タイペイが激突。ペナントレースを中断し、オールプロで編成された韓国、プロとアマチュアの混成で臨むチャイニーズ・タイペイの戦いぶりは、社会人23名で金メダルを目指す日本にとっても注目の一戦であり、首脳陣は視察に足を運ぶ。

オールプロの韓国が初回の一発に沈む

 そんな中、満員の観客を集めてナイトゲームで開始された試合は、1回表二死から、元巨人の姜建銘が左中間に三塁打を放つと、四番の林加祐が豪快にレフトスタンドに運んで2点を先制する。8月初旬に来日し、社会人チームと5試合のテストマッチを消化したチャイニーズ・タイペイは、韓国の裏をかくように、その遠征に参加したアマチュア選手でスタメンを組み、先発投手も合作金庫の変則右腕・呉昇峰に。

 すると、呉昇峰がのらりくらりと韓国の強力打線に決定打を許さず、5回に1点を返されたものの、4投手のリレーで1点のリードを守り切る。これで、B組はチャイニーズ・タイペイの1位、韓国の2位が確定し、日本がA組で1位となった場合は、30日のスーパーラウンド第1戦で日本と韓国がぶつかることになる。

 この試合に負ければ決勝進出がなくなる韓国は、全力で日本を倒しにくる。ただ、日本の投手力はチャイニーズ・タイペイに優るとも劣らず、ロースコアの接戦に持ち込めば勝機も広がるだろう。ドラフト候補が並ぶ日本は、24年ぶりの金メダルに近づくことができるか。30日の対戦からは目が離せない。

野球ジャーナリスト

1965年、東京生まれ。立教大学卒業後、出版社勤務を経て、99年よりフリーランスに。社会人野球情報誌『グランドスラム』で日本代表や国際大会の取材を続けるほか、数多くの野球関連媒体での執筆活動および媒体の発行に携わる。“野球とともに生きる”がモットー。著書に、『落合戦記』『四番、ピッチャー、背番号1』『都市対抗野球に明日はあるか』『第1回選択希望選手』(すべてダイヤモンド社刊)など。

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