【丸亀市】来年の干支”ドラゴン”の物語がカレンダーに 「優しい気持ちになれる」原画展、1月17日まで
来年2024年は辰年ですね。干支にちなんだオリジナルの物語にイラストを描き、カレンダーの形にまとめている画家、和久千文さん(丸亀市在住)の作品展が、12月21日から来年1月17日まで開かれています。思わず、「かわいい」「癒される」という声が出てしまうファンタジックな和久さんの世界。会場の富屋珈琲店2階ギャラリー(同市富屋町)に足を運んでみました。
どうなる?羽を痛めたドラゴン
《小さなドラゴンが羽を痛めてしまって、家に帰れなくなりました。さあ、どうする》。和久さんの絵本カレンダー「きょうは何曜日?」の物語は、こんな風に始まります。主人公は、辰年にちなんだ小さなドラゴンです。
会場には、カレンダーの原画が「1月」から「12月」まで順番に展示されており、小さなドラゴンがウサギやネズミなど仲間の力を借りながら、無事に帰宅するまでのストーリーを楽しめます。帰宅までの過程には、「助け合い」や「危機」「小さなドラゴンの活躍」といった場面が散りばめられています。
見どころは、動物たちの描写です。思わず、生き生きとした表情に見入ってしまいました。和久さんは「背景の室内や小物などもこだわって描いているので、そんなところも見てもらえたら嬉しいです」と話していました。
作品は淡いトーンの水彩画で、カラフルな色づかいのため賑やかな印象を受けます。画材には、透明水彩絵の具と丸ペンを使っているそうです。見ていると癒されるような優しさを感じました。訪れた人は、「かわいいなぁ」「夢があるね」と語り合いながら、細部まで丁寧に描かれた作品を鑑賞していました。
一年を明るく過ごしてほしい
和久さんは、2020年からカレンダーを制作しており、干支にちなんだ物語は2作品目。イラスト一枚ごとに短い文章が添えられていて、毎月少しずつ物語が進んでいく趣向です。
「カレンダーは表紙を合わせて13枚の絵を描けます。一貫したテーマでまとまりのある内容にすれば、楽しんでもらえるのではないかと思い、干支の生き物を主人公にした物語を作り始めました」と和久さん。完成まで、構想を含めて半年くらいかけているそうです。
物語に登場するウサギなどは実物を参考にしながら描くそうですが、主人公のドラゴン(龍)は、空想上の生き物なので、どんな姿にするか苦心したそうです。「年賀状などには細長い龍が描かれることが多いですが、私の作風とは少し違うかなと思い、ネコやネズミの姿を参考にしながら試作。少しふっくらしたドラゴンの姿に落ち着きました」と話していました。
もともと絵だけでなく、和久さんは「物語を表現することも好き」とのこと。タイトルになっている「きょうは何曜日?」というフレーズは、子どもたちがよく使うことを意識して選んだそうです。また、起承転結のある物語ながら、「カレンダーなので、ネガティブな雰囲気の絵が1か月続くことにならないように心掛けました」と教えてくれました。
会場ではカレンダーも販売
カレンダーは1部1500円で販売中で、会場でも購入できます。他に、大西食品(丸亀市風袋町178)、ウーフ(丸亀市土器町西5丁目88)、haru sora(香川県さぬき市志度1235−2)の3店でも取り扱っています。
和久さんは将来的に、本格的な絵本の制作を目標にしているそう。「動物が好きなので、動物たちが健やかに生きられるように絵で貢献したい」と夢を教えてくれました。
年末年始は、ファンタジックな和久さんの作品を楽しんでみませんか。新年に向けて、きっと「優しい気持ち」になれるはずです。
基本情報
名称 : 2024年カレンダー原画展「きょうは何曜日?」
住所 : 香川県丸亀市富屋町7-1 富屋珈琲店2階ギャラリー
アクセス : JR丸亀駅から徒歩5分程度(駐車場あり)
開催期間 : 12月21日から2024年1月17日
時間 : 午前11時から午後5時 (入場無料)
休日 : 土曜・日曜日(ただし、1月6日・7日は正午から午後3時までギャラリーのみ開場)、年末年始(12月29日から1月3日)
問い合わせ先 : cfm.waku@gmail.com(和久さん)
公式サイト