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チャイルドシートを拒否する子どもに効果的な対応策って?

保育士ごんちゃん保育士/チャイルドカウンセラー

こんにちは!保育士ごんちゃんです。

現在、子育て支援保育士として地域の公民館や療育教室で親子遊び講座をしたり、地域の保健師さんと一緒に子育て講座にまわったりするような働き方をしながら、子育てに関する情報発信をしています。

そしてわたしも現役の子育て世代で、2人姉弟の育児に日々奮闘しています。

おたよりフォーム宛に、お子さんのチャイルドシート利用時の対応に関するこんなお悩みをいただきました。

【ペンネーム/コッシーさんより】
しゃーごんさん初めておたよりします。
2歳半の息子、チャイルドシート拒否問題についてのご相談です。ここ1ヶ月程、チャイルドシートに座るまで かなり時間がかかります。
こちらに余裕がある時は、彼の気が向いたタイミングで座ってもらうのですが
朝急いでいる時や、保育園の帰りに駐車場が混んでいたりすると、本当に困ります。
さすがに何台も駐車待ちの方がいるのに、優雅に息子の機嫌なんて取っていられません。笑
そんな時はやや強引に座らせるのですが、海老反りで抵抗!私の力では敵わず、何度も格闘…それが原因でお迎えの時間がとても憂鬱です。
なにか良い促し方、こうやるとスムーズに座ってくれるよ〜等のアドバイスがありましたら宜しくお願いします。
たしか上の子の時も、まさにこれくらいの月齢でチャイルドシートを渋る事があったような気がします。この時期にみられる傾向でもあるのでしょうか?

今回はこちらのご相談内容にお答えしていきたいと思います。

▼イヤイヤ期の子どもは自由が奪われることを嫌う

今回のご相談者さんのお子さんは2歳半ということで、まさに「イヤイヤ期」の成長段階にいらっしゃるお子さんです。

イヤイヤ期とは第一次反抗期とも言われ、子どもの自我が芽生える時期で、1歳半〜3歳ごろに見られます。この時期はこれまでスムーズにいっていた行動も、子どもの反抗によりスムーズにいかなくなる傾向にあります。

チャイルドシートに乗る際、子どもはじっと座っていないといけません。自分が思うように自由に動きたいという意思が強くなるイヤイヤ期においては、まさに子どもが嫌がるシチュエーションであるともいえますね。

またご相談の中で「たしか上の子の時も、まさにこれくらいの月齢でチャイルドシートを渋る事があったような気がします。この時期にみられる傾向でもあるのでしょうか?」というご質問をいただいていますが、たしかにチャイルドシートを嫌がるお子さんは多いと思います。

動きたいのに自由に動けないという理由以外には、チャイルドシートに座っている状態が退屈であったり、窮屈で不快に感じたりするなどの理由で嫌がっている場合もあります。

また、大人にとっては「大切な子どもを安全に守るため」というチャイルドシートに子どもを載せる理由がある一方で、子どもにとってはチャイルドシートに乗りたい!と思う動機や乗らないといけない理由が実感として湧きにくいです。

危険だということを伝え続ける方法もありますが、大人はなぜ危険なのか想像ができても子どもにとってはなかなか難しいですし、イヤイヤ期の成長段階を考えるとすんなり受け入れてくれない場合も多いですよね。

そのため子どもにとっての「乗りたくなる理由」を考えていくことが必要だと考えます。

▼チャイルドシート拒否の対応策

乗りたくなる特別な理由を用意する

子どもにとって自然やってみたくなる感情は「楽しいから」や「面白いから」などのポジティブで本能的な動機から来るものです。

「危険だから」や「乗らないと怒られるから」といった動機は、ネガティブで理性的なので、子どもにとっても受け入れがたく嫌々させられることになりがちです。

そのため、チャイルドシートに乗るとこんな良いことがある!という特別なことを準備することをご提案します。

例えば、チャイルドシートに乗ったら「このおもちゃで遊べる」「この絵本が読める」「このDVDが見れる」「好きなおやつが食べられる」「好きな飲み物が飲める」などです。

しかし「物で釣るのは気が向かない…」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、物以外で何か特別なことを準備するのが良いですね。

好きな歌を一緒に歌ったり、ママが手遊び歌を歌うのにあわせて子どもにいろんな動きをしてもらって楽しい雰囲気にするなどです。

子どもにとって楽しいことや面白いことを何にするのかは、お子さんの好みとご家庭の方針によってバランスを取っていただきたいです。

もしもチャイルドシートに乗る時に好きなものを食べることで拒否感が薄まるけれど、本当は食べさせたくないという場合は、本当に大変な今の時期だけ限定でその方法を使いましょう。

そして「チャイルドシートはなぜ必要なのか」を都度都度言っていたら、子どもも成長段階とともにわかる日が来ます。そして激しく拒否しなくなってきたら徐々に何も使わずに載せるように移行していくのが良いと思います。

わが家にはもうすぐ3歳半になる娘がおりますが、娘ももともとチャイルドシートが好きではありませんでした。そのため、好きなラムネを食べることにしたり、タブレットでDVDを見て過ごすことにしながら、シートベルトは大事なんだということを伝え続けました。

するともう最近は私がシートベルトを忘れて出発しようとすると「シートベルトしてないじゃん!」と自分から言うようになりました。イヤイヤ期真っ只中は何か食べたがることも多かったですが、今はおやつを食べなくても乗れるようになっています。

イヤイヤ期は親の心の平和をいかに保てるかがとても大事です。子どもを「正しく育てなきゃ!」と思う気持ちが強すぎると本当にきついです。育児が苦しいものになるくらいなら、適度に便利なものに頼っていいと私は考えています。

そしてどんなことにも「子どもにとってすんなり受け入れやすい時期」というのが来ます。その時までは、子どもが楽しくなる特別なことをできるだけ試してみてもいいのではないでしょうか。

<その他SNSでも子育てに関する情報発信をしています>
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今回も最後まで読んでくださりありがとうございました。また次回の記事でお会いしましょう!

保育士/チャイルドカウンセラー

専門は保育、幼児教育、家庭教育。九州大学教育学部卒。2019年2月に女の子、2021年11月に男の子を出産した2児の母。HSP(Highly Sensitive Person)の気質を持ち、人生で2度のうつ病を経験。現在はがんばりすぎるのをやめて「無理せず自分らしく」がモットー。育児のお役立ち情報やライフハック、子どもと楽しく過ごすための遊び心などを発信。

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