保育園は園児数に対する保育士の数で決めるべき!1つの根拠を現役保育士が示す
共働きの現役保育士です。
厚生労働省が定める保育士配置基準に基づき、現行の保育園は次の通りの職員数で運営されています。
保育する年齢:保育士の人数
0歳児クラス:3人につき一人
1~2歳児クラス:6人につき一人(2025年度以降5人につき一人に改定予定)
3歳児クラス:15人につき一人(※新基準)
4歳児クラス以上:25人につき一人(※新基準)
参考:こども未来戦略方針
いやいやいや・・・
今回は、この基準でも保育に無理があることを示す具体的なエピソードを紹介していきたいと思います。
保育園選びでは、園児数に対する保育士の数を重視したい理由が分かるはずです。
配置基準を守っている保育園で散歩に行くと
2日間雨が続き、今日は待望の快晴。
子どもたちも大好きなお散歩に出かけることになりました。
散歩に行くのは3歳児クラスの12名と4歳児クラスの17名、保育士2名です。
新基準では、3歳児クラスは園児15人につき保育士1人、4歳児クラスは25人につき保育士1人以上と定められているので、配置基準よりも相当手厚い職員数ということになります。
散歩中のトイレ問題
目的地の大きな公園で楽しそうに遊ぶ園児たち。
しばらくすると3歳児クラスのサクラちゃん(仮名)が「トイレに行きたい」と教えてくれました。
保育園を出てくる前にトイレには行っています。また、遊んでいる場所からトイレは見渡せず、距離は200メートルほどです。
この時に取れる対応の選択肢は次の通りでしょう。
- 保育園に戻るまで我慢してもらう
- 保育士一人がサクラちゃんに付き添いトイレに行き、その間残りの一人で他の28人を見守る
- 散歩を切り上げて全員で保育園に戻る
- トイレがすぐ近くにある公園にしか行かない
- 4クラス合同で散歩に行き、1人がトイレに付き添っても他の3人でカバーできるようにする
トイレを我慢するのは不可能ですよね。
一方、保育士1人がトイレに付き添う間、もう1人が28人の園児を見守るのも安全上得策とは思えません。
全員が散歩を切り上げて帰園したり、トイレがある場所にしか出かけないのもかわいそうですね。
実運用としては、散歩には3-4クラス合同で行き、仮に1人がトイレに付き添うなどしても、その間は2名以上の保育士で見守りが継続できるようにする保育園も多いでしょう。
ただ、多クラス合同の散歩だと、隊列が長くなることや目的地の公園で密集してしまうことで見守りがしにくくなるというデメリットもあります。
このような場面に遭遇すると、現行の保育士配置基準以上にいや倍以上の職員が配置できていれば、トイレのニーズも満たしつつ、他の子も安全に見守られながら存分に遊べるのにと思ってしまいます。
まとめ
現行の保育士配置基準では基準を遵守していたとしても不都合が生じることを、具体的なエピソードを交えて紹介してきました。
これから保育園を選ぶ方は、候補となる保育園の「園児数に対する保育士の数」を是非チェックしてみてくださいね。
保育園のWebサイトなどでも確認できることがありますが、毎月のように変動しているので入園説明会などで直接質問してみるのがおすすめです。