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スペイン・マドリードで78年ぶり猛暑 日本でも高温続くおそれ

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
スペインでは今月、記録的な暑さに見舞われている(写真:ロイター/アフロ)

 スペインでは時ならぬ熱波に見舞われています。4月27日には首都マドリードで、最高気温が30.7度に達し、4月としては78年ぶりに4月の最高気温を更新しました。また、すでに伝えられているように、南部のコルドバ空港では38.8度を記録、4月に35度を超えたのは初めてです。

 マドリードでは4月25日~5月7日の日程で、プロテニストーナメントが開催されていますが、暑さのなかでの試合となっているようです。

西サハラから熱風

2023年4月27日の上空1,500メートル付近の気温を示した図(ウェザーマップ作画、筆者加工)
2023年4月27日の上空1,500メートル付近の気温を示した図(ウェザーマップ作画、筆者加工)

 この時期のマドリードは東京の春とあまり変わりません。昼間は20度くらいまで上がっても、朝晩は10度を下回る冷え込みです。内陸性の気候のため、寒暖差が激しい時期です。

 今回の熱波は大西洋に停滞した低気圧の影響で、アフリカ北西沿岸部(西サハラ)からイベリア半島に向かって、非常に暖かい空気が流れ込んだことが原因です。

 熱波といえば、昨夏(2022年)を思い出します。そのときコルドバでは43.6度を記録し、市民生活に大きな影響がありました。過去例のない猛暑はヨーロッパ各地で温暖化対策強化を求める声につながっています。

5月も10年に一度の高温

 スペインの熱波は他人事ではありません。日本でも記録的に暖かい春になっていて、3月の日本の平均気温は1898年(明治31年)以降で、最も高くなりました。そして、4月も非常に暖かいです。

高温に関する早期天候情報(4月27日発表、ウェザーマップ作画)
高温に関する早期天候情報(4月27日発表、ウェザーマップ作画)

 5月も、日本列島は暖かい空気に覆われて、全国的に気温が高くなる見通しです。とくに、3日頃から一週間程度は平年を大幅に上回る可能性が高く、10年に一度の高温となるでしょう。

 今年は暑い期間が長くなるような気がしています。できることは限られているけれど、湿度が低い今のうちに、身体を動かして、暑さに慣れるようにしたいと思います。

【参考資料】

スペイン気象局(AEMET):Valores extremos

イギリス気象庁(UKMO):Spanish heat to build this week

世界気象機関(WMO):World Weather Information Service

気象庁:高温に関する早期天候情報、2023年4月27日

気象庁:世界の異常気象速報(臨時)、ヨーロッパ西部を中心とした顕著な高温について、2022年7月22日

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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