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目指すは東方神起やBIGBANG?日本の若者がK-POPアイドル目指す『KBOYS』とは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
『KBOYS』公式サイトより

先週からK-POPを題材にした異色のドラマが放送されていることをご存じだろうか。

10月10日からABCテレビ(関西)とGYAO!で同時に放送・無料配信されている連続ドラマ『KBOYS』だ。

今夜第3話が放送される『KBOYS』は、日本の男子高校生6人がK-POPアイドルデビューを目指し奮闘する青春ドラマ。佐久間悠、ゆうたろう、佐久本宝ら若手イケメン俳優たちが出演しており、K-POPボーイズグループ「MYNAME」や「U-KISS」のメンバーも出演するという。

そもそもこれまでも、韓国にはK-POPアイドルデビューを目指す若者を描いた青春ドラマはあった。

“国民の初恋”と呼ばれる歌手・女優のペ・スジが主演を務め、日本に韓流ブームを巻き起こした『冬のソナタ』のペ・ヨンジュンも特別出演して2011年に放送された『ドリームハイ』などは有名だろう。

ただ、日本の高校生がK-POPアイドルを目指すドラマが日本で放送されるというのは異例だ。

それだけに『東亜日報』などは、「俳優、制作陣が全員日本人でK-POPを素材にしたドラマが日本の地上波で放送されるのは史上初めて」としながら、「日本のドラマ界にもK-POPブームが巻き起こる」と報じていた。

韓国芸能界で活躍する日本人

背景には、ここ数年、日本の若者の間で韓国コンテンツの人気が高まっていることがあるだろう。

昨年末にはガールズグループTWICEとチーズタッカルビが「JC・JK流行語大賞2017」の各部門で1位になり、今年6月に発表された同賞の2018年上半期ランキングにも、BTS(防弾少年団)やBLACKPINKなどK-POPグループが入っていた。

また、K-POPアイドルとして活動する日本人も増えている。

数年前には、韓国では元SMAPの木村拓哉よりも有名だと自称するアイドルのTAKUYAなども話題になっていたし、最近は“次世代セクシーアイドル”と呼ばれるRUIをはじめ、K-POPアイドルとして活動する日本人女性も多い。

(参考記事:「美しすぎる!」とネットで話題に。韓国で活躍する日本芸能界の美女たち

前出のTWICEにミナ、サナ、モモら日本人メンバー3人が所属していることはよく知られているし、最近は三上悠亜ら日本のセクシー女優3人で結成されたK-POPガールズグループ「HONEY POPCORN」なども登場。

今月29日には、宮脇咲良らAKB48グループの人気メンバーも参加している日韓合同ガールズグループ「IZ*ONE」もデビューを控えている。

東方神起も練習生から結成へ

そんななかでK-POPを題材にした『KBOYS』の放送がスタートしたわけだが、気になるのは今後のストーリー展開だ。

第1話では、男子高校生3人がK-POPアイドルになると宣言するシーンなどが放送されたが、実際にK-POPアイドルとしてデビューするまでの道のりは長く険しい。

例えば、日本でも絶大な人気を誇るK-POPデュオ東方神起もそうだった。

東方神起の所属事務所のSMエンターテインメントは、世界各国でオーディションを開催して才能に優れた若者たちを発掘・スカウトし、金を惜しまずレッスンを積ませ、その才能の原石を磨かせている。

そんな練習生のなかから東方神起が結成されたことはファンの間ではよく知られている事実だ。

(参考記事:誕生秘話と苦難を乗り越えて掴んだ栄光…東方神起とSMエンターテインメントの“光と影”

小学生の頃から練習生としてトレーニングを積むケースも多いという。そのなかでもデビューできるのは一握りだというからその厳しさがうかがえるだろう。

BIGBANGのG-DRAGONも、「もっとも大変だったのはデビュー前の練習生時代だ」と韓国メディアに明かしている。

昨年には日本の海外アーティストとして史上初めて5年連続でドームツアーを行ったスーパーグループのリーダーも、「あの頃はつらくて悩むことも多くて、自分が明日どうなるかもわからなかった」のだという。

(参考記事:成功できるのは一握り!! K-POPアイドルグループ凄絶サバイバル競争の実態

K-POPアイドルたちは華やかな表舞台に立つためにさまざまな苦労を積んできたわけだが、はたして『KBOYS』では、韓国でのアイドルデビューへの道のりが、どこまでリアルに描かれるか。

K-POPファンたちの反応とともに、ドラマの今後の展開にも注目したい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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