ドイツ・ベルギー・オランダで観測史上最高気温 今ヨーロッパで起きていること
今季2度目の熱波に襲われているヨーロッパで、国内史上最高気温の記録が更新されました。記録が塗り替えられたのは、ドイツ、オランダ、ベルギーで、それぞれ40.5℃、39.3℃、39.9℃と、この時期の平均を15℃以上も上回る高温でした。
また同日、フランス南部では観測史上最高気温となる41.3℃が観測されました。その前日にはワインで有名なボルドーでも41.2℃まで気温が上がって、最高気温の記録を更新しています。
ピークは25日
暑さのピークは25日(木)なので、今回記録が出たオランダやベルギーなどでも、再び最高気温が更新される可能性があります。
多くの都市でもいまだかつて経験したことのない高温となる予想が出ています。例えばパリのこれまでの最高気温の記録は40.4℃ですが、25日には41℃に達する予想が出ています。この時期の平均気温は24℃ほどですから、20℃近く高い気温です。
本来なら夏でも涼しいフランスの家庭のエアコン普及率はたった5%、ドイツでは2%以下といわれています。
熱波の影響
この暑さの影響で、ベルギー発イギリス行きの高速列車ユーロスターが、架線の故障により立ち往生した他、ドイツでは川や湖が干上がって、魚やムール貝が危機的状況に陥っているとのことです。
またフランスでは、川の水が温まって原子力発電用の冷却水が十分に得られず、発電量を減らしているそうです。
さらに、再建が進んでいるノートルダム大聖堂にも危機が迫っています。チーフアーキテクトのビルヌーブ氏によると、消火活動の名残で湿っている大聖堂の接合部や石積みが、暑さによって急激に乾くと、接着性が失われて突然天井部分が崩壊するおそれがあるとのことです。
500年で一番暑い年
西暦1500年以降で最も暑い上位5位の年は、2002, 2003, 2010, 2016, 2018年で、すべてが今世紀に起きています。ヨーロッパの夏は涼しいというイメージは、これからますます失われていくのかもしれません。