3月の”異常高温”により続く、あまりにも速すぎる桜前線の北上
まさに”異常高温”の3月
上図は気象庁による30日間平均気温(3月2日から31日まで)の平年差を表したもので、赤い地点が平年より2度以上高かった所を表しています。
全国的に2度以上高いのは一目瞭然ですが、30日間平均で2度以上高いというのは、この期間としては記録的に高いことを表しており、数十年に一度レベルの高温ということが言えますが、この30日間は2度どころか3度以上高い所も多く、特に北日本では4度以上高くなった所も多くなっています。
主な地点を示すと以下の通りです。(平年差)
北海道中頓別(+4.9度)
北海道佐呂間(+4.7度)
札幌(+3.8度)
青森県酸ヶ湯(+4.7度)
盛岡(+4.2度)
仙台(+3.7度)
福島県鷲倉(+5.0度)
群馬県みなかみ(+4.8度)
東京(+3.4度)
名古屋(+3.6度)
大阪(+3.0度)
特に北日本や雪国、標高の高い所で高温が顕著となっており、これは上空の寒気が弱い影響を、より強く受けた格好だと思われます。
札幌や仙台は平年以下の日はほとんどなし
上図は札幌と仙台の2月28日から3月31日までの日ごとの平均気温とその平年値、また降水量を示したものです。
札幌は3月4日に平年値ギリギリまで下がりましたが、それでも平年値を下回ることはなく、この期間の全日で平年値を上回っています。一方、仙台は3月18日に冷たい雨や雪が降り、平年値を下回りましたが、この期間で平年値を下回ったのはわずかこの1日だけです。
東京や大阪も連日平年を上回る暖かさ
同じように、東京や大阪をみると、北日本よりは少し多めに平年値くらいまで下がった日や平年値をわずかに下回った日もありますが、ほとんどの日で平年値を上回る暖かさとなっています。
桜の開花や満開は北日本や雪国ほど早い
上図でピンクの着色となっている地点は、3月31日現在で、すでに桜(ソメイヨシノ)が開花した地点や満開となった地点で、着色部以外は今後の予想を示しています。3月が終わった段階で桜前線はすでに山形まで到達しており、記録的な速さで北上中です。(ウェザーマップ桜の開花予想)
ここで桜の開花日において平年との隔たりが大きい順に並べると、
14日早い:福島、長野
13日早い:仙台、山形
12日早い:富山、新潟
11日早い:前橋、金沢
などとなっており、北日本や雪国で特に早いことが分かります。これら多くの地点で観測史上最も早い開花となりました。ちなみに最も早く3月14日に開花した東京は平年より10日早い開花でした。
続いて、桜の満開日において平年との隔たりが大きい順に並べると、
14日早い:福島
13日早い:新潟、仙台
12日早い:鳥取、前橋、富山
11日早い:京都、福井
などとなっており、やはり満開も開花と同じく、北日本や雪国を中心に早いことが分かります。これらの多くの地点で観測史上最も早い満開となりました。ちなみに最も早く3月22日に満開となった東京は平年より9日早い満開でした。
今後も桜前線は平年より2週間前後早い状態で北日本を急速北上する予想で、いつもならゴールデンウイーク終盤の5月5日、こどもの日の頃に見頃となる札幌の満開予想日は4月22日となっています。
あまりにも速すぎる桜前線の北上が続きそうです。