奄美は活発な線状の雨雲に厳重警戒、関東甲信などは記録的な遅れ梅雨も
奄美は大雨に厳重警戒
タイトル画像にあるとおり、日本の南から東シナ海にかけて梅雨前線が停滞していて、南からの際立った暖湿流を受け、活動が非常に活発となっています。きのう14日(金)は沖縄本島で猛烈な雨が降り、記録的短時間大雨情報が相次いで発表されましたが、きょう15日(土)は活発な雨雲の通り道が奄美地方となっています。
特に徳之島付近では線状の活発な雷雲が次々と通過していて、非常に激しい雨を伴い、3時間に130ミリ以上の大雨を解析しています。土砂キキクルでは紫色のレベル4に相当する危険度となっていて、土砂災害警戒情報も発表されています。
気象庁からは線状降水帯に関する予測情報は発表されていませんが、雨雲の発達具合によっては、線状降水帯が発生してもおかしくない気象状態となっています。きょう15日(土)夕方にかけて、雨の降り方に十分な警戒を要します。(気象庁発表の防災情報)
関東も夜中にひと雨、梅雨入りの発表は難しい?
一方、梅雨入りが記録的に遅くなりつつある関東甲信でも、上図のように今夜日付が変わる頃には南から活発な雨雲がはい上がり、沿岸部を中心に、雨脚の強まる所があるでしょう。ところが雨は一過性で、あす16日(日)午前9時にはすっかりと東へ抜け、すでに晴れている予想で、今回の雨で梅雨入りを発表する判断には至らないかと思われます。
来週18日(火)頃にも梅雨入り発表の可能性あり
次に梅雨入り発表の可能性があるのは、来週18日(火)頃です。上図のように今回とは違い、日中に雨雲がかかり、ひと雨降る計算となっています。ところが今のところ、南部の沿岸部が主体の予想で、前線の北上が弱ければ、雨雲がかすめて通る可能性も考えられ、こうなると、やはり梅雨入りを発表するに至らない可能性があります。
そうこうしている内に、来週の週末頃まで梅雨入り発表が持ち越された場合は、記録的に遅い梅雨入りということになります。
関東甲信の遅い梅雨入り
上図は、関東甲信の梅雨入り日に関して、統計のある1951年以降で、遅い方からの順位を調べたものです(順位には重複年があり)。
関東甲信の最も遅い梅雨入りは、2007年と1967年の6月22日で、6月下旬以降にずれ込んだのはこの2回だけです。次いで2位は、1960年の6月19日、3位は1999年、1982年、1969年の6月17日となっています。
ことしの日付でいえば、17日はあさって(月)、19日は来週(水)なので、もしこのあたりまで梅雨入り発表が見送りとなれば、1位、2位を争うほどの記録的に遅い梅雨入りとなります。
遅い梅雨入りでも一気に最盛期に突入のおそれ
先述したとおり、きょう15日(土)からあす16日(日)の雨は、夜中に降る一過性の雨のため、関東甲信から九州北部の梅雨入り発表は難しいと思われます。
そして次に雨雲が南から広がる18日(火)に傘マークがずらりと並びました。ここで梅雨入りの発表となる可能性が十分にありますが、やはり雨雲が予想以上に南を通過してしまった場合は、ここでも見送りになる可能性も否定できません。
そうなると来週の週末までずれ込む可能性もありますが、来週の週末以降は、一気に本州付近で梅雨前線の活動が活発となり、いきなり梅雨最盛期のような大雨が降ってもおかしくない状況が予想されています。遅れてやってくる梅雨であっても、いきなりの大雨期が始まるおそれがありますので、決して油断ならずです。