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セクシーも実力か?韓国女子ゴルフで話題“次世代クイーン”ユ・ヒョンジュの外見に対する考え方とは

金明昱スポーツライター
注目を浴びたユ・ヒョンジュ(写真・KLPGA/Park Jun-seok)

 新型コロナウイルスの感染拡大後、世界のゴルフツアーでは初となる韓国女子ゴルフツアーの「KLPGAチャンピオンシップ」が14日から4日間の日程を終えた。

 韓国内のみならず世界から注目を集めていた同大会で優勝したのは、アマチュア時代にナショナルチームの一員として活躍した20歳のパク・ヒョンギョンだった。通算17アンダー、逆転で初優勝を手にした。

 今大会には、日本ツアーを主戦場にするイ・ボミやアン・ソンジュのほか、優勝争いして2位に入ったペ・ソンウが出場したことで、日本のゴルフファンからも注目を集めた。

 一方で、無観客での開催や新型コロナの感染を防ぐための対策がどのように行われているのかについての関心も高かった。

 その中でももう一つ、韓国で大きな話題になったのが“次世代クイーン”と呼ばれるユ・ヒョンジュだった。

2日目の6バーディー、ノーボギーで熱視線

 彼女が注目される理由は、抜群のプロポーションが分かるタイトでセクシーなウェアにある。

 プロの世界ではギャラリーから注目されることも、プロとしては大事な要素であることを彼女はよく知っていると思う。

 韓国のポータルサイトの検索ワードの急上昇ランキングで1位となり、高い関心が寄せられていた。

 ただ、今大会は外見だけなく、肝心のプレーの内容も大きく注目されたのだ。

 関係者の度肝を抜いたのが、大会2日目。6バーディー、ノーボギーの66で7位タイに浮上し、一気に優勝争いに躍り出たこと。この日の話題をさらったのは、紛れもなくユ・ヒョンジュだった。

 その後の2日間は思うようにスコアを伸ばせなかったが、最終ラウンドまで残り、通算1アンダーの50位タイで試合を終えた。

 “セクシークイーン”と呼ばれ、日本で社会現象にもなったアン・シネは記憶に新しい。

 その次の“セクシーゴルファー”のポジションを担うという意味もあり、“次世代クイーン”の愛称がついているが、この試合で多くのゴルフファンの見る目が変わったのは間違いない。

2日目にみせた6バーディー、ノーボギーのプレーは圧巻だった(写真・KLPGA/Park Jun-seok)
2日目にみせた6バーディー、ノーボギーのプレーは圧巻だった(写真・KLPGA/Park Jun-seok)

日本でもビジュアルが先行

 彼女は日本にもゆかりがある。

 2018年には日本ツアーのファイナルQT(予選会)で59位となり、翌年のレギュラーツアー出場権は得られなかったが、2019年のヤマハレディースオープン葛城に推薦で出場。

 当時もビジュアルが話題になることが多かった。というのも、彼女は韓国でこれまで実績と結果を残しておらず、どうしても外見を話題にせざるを得ないという側面もあった。

 2011年に韓国でプロ入りしてから、2012年の韓国ツアーでは賞金ランキング73位。13年からは韓国の下部ツアーに出場し、16年と17年はレギュラーツアーでプレーしたが、これまでトップ10には一度も入ったことがない。

 2012年11月の「BS金融グループ釜山銀行・ソウル経済女子オープン」での14位タイが最高位だ。

 前述したとおり、日本の予選会も通過できず、長らく韓国下部ツアーでの戦いが続いたが、昨年、韓国で予選会を35位で突破し、ようやくレギュラーツアーに復帰。

 そして今回、KLPGAチャンピオンシップというメジャーの舞台でようやく日の目を見たというわけだ。

「外見だけのゴルファーではない」

 4日間を戦い抜いたことで手応えもあった。大会を終えたあとユ・ヒョンジュは「パーセーブする能力、ショートゲームの向上が重要だと感じました。結局は練習を繰り返すしかありません。今季初戦に出場して刺激を得ました」と振りかえっている。

 また、自身の外見に注目が集まっていることについて、こう語っている。

「とても感謝しています。注目されるのは選手としてうれしいこと。外見が注目されるのは、否定的なこととは思いません。それに私も外見だけのゴルファーではありません。見た目だけで関心を持ってもらおうとは考えていません。無観客でのプレーは2部ツアーにいたので、静かな雰囲気は慣れていました。むしろ、フィールド内外の熱気を感じたので、たくさん応援してもらった気分です」

 ユ・ヒョンジュにとってある意味、最高の大会になったに違いない。

 今回のブレイクを韓国メディアは“ユ・ヒョンジュ シンドローム”と表現していたが、これからも熱い視線が注がれるのは間違いない。

 またいつか日本ツアーでも彼女のプレーが見られる日が来るだろうか。

スポーツライター

1977年7月27日生。大阪府出身の在日コリアン3世。朝鮮新報記者時代に社会、スポーツ、平壌での取材など幅広い分野で執筆。その後、編プロなどを経てフリーに。サッカー北朝鮮代表が2010年南アフリカW杯出場を決めたあと、代表チームと関係者を日本のメディアとして初めて平壌で取材することに成功し『Number』に寄稿。11年からは女子プロゴルフトーナメントの取材も開始し、日韓の女子プロと親交を深める。現在はJリーグ、ACL、代表戦と女子ゴルフを中心に週刊誌、専門誌、スポーツ専門サイトなど多媒体に執筆中。

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