森内九段26、羽生九段21、渡辺三冠19、藤井七段18 将棋順位戦の歴代連勝記録
渡辺明三冠(35)が現在A級順位戦で独走中です。
【前記事】
渡辺明三冠(35)A級順位戦独走の7連勝 初の名人挑戦権獲得まであと1勝
渡辺現三冠は2017年度A級で4勝6敗と指し分けに近い成績ながら、歴史的な大混戦の中で不運な降級となりました。
翌2018年度はB級1組で12戦全勝。1期でA級にカムバックとなりました。
そして現在2019年度は7連勝で初の名人挑戦権獲得に突き進んでいます。
合計すると、渡辺三冠は現在、順位戦で通算19連勝中ということになります。
これまでの順位戦の最多連勝記録は、森内俊之現九段の26連勝です。
1990年度C級2組では1勝1敗の後、8連勝で昇級。
1991年度C級1組は10連勝で通過。
1992年度B級2組では8連勝。
これで合計26連勝です。
藤井聡太現七段のデビュー以来29連勝もこの先、いつ更新されるのか見当もつかない大記録ですが、森内現九段の順位戦26連勝も同様でしょう。
B級2組9回戦で8連勝中だった森内六段(当時)を止めたのは、ベテランの佐伯昌優八段(現九段、引退)でした。佐伯八段はそこまで8連敗中。8連勝(通算26連勝)の若手と8連敗のベテランの対戦で後者が勝つというのもまた、順位戦らしいドラマです。森内六段はその期9勝1敗。森下卓七段(現九段)、村山聖六段(没後九段)と同成績ながら、順位下位のため頭ハネで次点となりました。
B級2組1期目だった村山六段と森内六段の順位差はわずかに1枚。それで前期C級1組で10戦全勝の森内六段よりも上位だったということは、村山六段も同様に10戦全勝だった(C級1組在籍中は村山六段が順位上位でそれが次のクラスに持ち越された)というわけです。
森内現九段の26連勝に次ぐのは、脇謙二現八段と羽生善治現九段の21連勝です。
順位戦の連勝記録は、上り坂にある若手棋士が勢いよく昇級していく過程で達成される場合がほとんどです。一方で、羽生九段の連勝記録は最上位のA級でのみ達成されたという点が異次元です。その連勝記録が達成された前後も含めて、表にしてみました。
2007年度に2勝1敗の後、6連勝(トータル8勝1敗)で名人挑戦権獲得。森内名人に挑戦して、名人に復位。名人位通算5期で19世名人の資格を得ました。
2008年、2009年、2010年と名人位は3連覇。
2011年は森内挑戦者に名人位を明け渡して、A級に参加。そこから9戦全勝を達成します。A級全勝は、1971年度に8戦全勝の中原誠十段・棋聖(当時)、2003年度に9戦全勝の森内俊之竜王(当時)以来、史上3人目です。
2012年は名人戦で敗退した後、再びA級で連戦連勝。名人3期を間にはさんで、A級で21連勝を達成しました。
A級順位戦21連勝とは、順位戦でA級棋士に21連勝ということなんですね・・・。(何を言ってるかわからない)
連勝が止まった7回戦の三浦弘行八段(現九段)戦は、終盤で互いの玉に逆王手がかかりまくる、目がくらむ難解なパズルを見せられたような名局でした。
名人戦3連覇を間にはさんで、名人挑戦4回連続という記録もまた異次元です。
四段でデビュー以来の連勝記録は、中原誠16世名人と、藤井聡太七段が18連勝で並んでいます。
中原16世名人は、A級までノンストップで昇級。44勝5敗(勝率0.898)という突き抜けた数字を残しています。
藤井聡太七段は2018年度、C級1組で9勝1敗という好成績を挙げながら、順位差で頭ハネとなりました。今年度はここまで7連勝(前期から数えれば8連勝)。昇級争いでトップを走っています。
順位戦での通算成績は26勝1敗(勝率0.963)。これもまた、何と言っていいのかよくわからない数字です。A級に昇級するまで、どれぐらいのハイペースで突き進むのでしょうか。