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真夏日エリアさらに拡大!梅雨前線は南西諸島にくぎ付けでも本州も雷雨に:気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
12日9時の予想天気図(気象庁HPより)。南西諸島は雨が続き本州付近は厳しい暑さ

12日は梅雨前線が引き続き沖縄~奄美付近に停滞し、本州付近は晴れて暑くなるところが多くなりそうです。
11日よりもさらに気温が上がるところが多く、猛暑日に迫るところもあるでしょう。湿度もさらに上がって、かなり不快な暑さに。
一方で、晴れる本州付近でも内陸や山沿いを中心に雷雨が発生しやすい状態は続き、「まるで梅雨明け後」な天気が続きそうです。

朝から晴れても内陸は天気急変に注意

12日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
12日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

12日は本州付近では引き続き晴れるところが多いものの、午後になると内陸や山沿いでところどころ雨が降り出す予想。天気分布予報で「晴れ」のオレンジ色と「雨」の青色がまだら模様のようになるのは、大気の状態が不安定になって各地で同時多発的に積乱雲が発生するときの特徴です。急な天気の変化に注意をしてください。

一方、沖縄では梅雨前線が停滞する影響ですでに11日も大雨になったところがありますが、12日は再び雨が強まり警戒が必要です。

湿度が上がり「蒸し」暑さに注意

12日15時の天気分布予報(色分け地図)と、各地の予想最高気温(カッコ内は前日比)。気象庁HPを元に作成。
12日15時の天気分布予報(色分け地図)と、各地の予想最高気温(カッコ内は前日比)。気象庁HPを元に作成。

12日は気温・湿度ともに高いところが多く、気温分布予報を見ると30度以上を示す赤の表示が北海道から沖縄まで点在しています。
特に山形・福井・舞鶴(京都)・鳥取・久留米(福岡)では33度、豊岡(兵庫)・日田(大分)では34度など、猛暑日に迫るような気温が予想されているところも(気象庁予報、12日0時時点)。
6月前半という、まだ体が暑さに対応しきれていない状態で迎える厳しい暑さですから、体力に自信がある人でも注意が必要です。

梅雨前線は南西諸島に停滞・関東など梅雨入りは週末か

(左)11日、(中)12日、(右)13日のそれぞれ9時の予想天気図(気象庁HPより)。
(左)11日、(中)12日、(右)13日のそれぞれ9時の予想天気図(気象庁HPより)。

このさき梅雨前線は13日(木)にかけて沖縄・奄美付近に停滞する見通しで、大雨のピークは13日(木)でいったん越えるものの、累積での降水量は数百ミリレベルになるところも出てきそうです。
沖縄・奄美では毎年のように梅雨末期に大雨に見舞われ、慣れている人も多いとは思いますが、今週は特に浸水などに注意が必要です。

梅雨前線は14日(金)に北上を始め、雨雲は次第に九州にかかり始めます。15日・16日にかけては前線や低気圧の雨雲が北日本までかかる見通しで、この雨をきっかけに九州北部から東北にかけて続々と梅雨入りするかもしれません。

気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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