Yahoo!ニュース

明治大学、40分の練習で東日本大学セブンズ2連覇。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
この大会でキャプテンを務めた松尾は15人制ではスタンドオフ(写真は昨年)。(写真:築田 純/アフロスポーツ)

 第19回東日本大学セブンズ大会が4月15日、東京・秩父宮ラグビー場であり、明治大学が2連覇を果たした。試合後、田中澄憲監督が会見した。

 田中監督は昨季、ヘッドコーチに就任し、15人制では昨季19シーズンぶりに大学選手権決勝へ進出。今季は監督に就任し、22年ぶり13回目の大学日本一を目指している。

 以下、大会後の会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

「前回の王者として臨んだのですが、準備期間が短いなかで学生がいいパフォーマンスをしてくれました。準決勝、決勝と疲労も高まるなか、ゲームキャプテン(松尾将太郎)を中心に結束して、いまやっているフィットネス、フィジカル、コミュニケーションを出して勝てた。意味がある一日だったなと思います。若い選手もきょう勝ったことで、自信をつけて、欲が出て、まだまだ成長してくれると思います」

――この大会への準備は。

「昨日の朝、メンバーに集合をかけて合わせをやったのみです。40分です。(メンバーは)木曜日に発表して土曜日に練習して…という形です。

 セブンズの練習を特にやっているわけではありません。春は個人に特化したこと――フィットネス、フィジカル、コミュニケーションをずっとやっていました。それしか(実戦で)出せないんですよね。それを、7人制に出していく…と」

――収穫は。

「1人ひとりが持っている能力、強みを出してくれた。セミファイナル、決勝のプレッシャーゲームでは、そういう状況を経験したことがない選手のプレーが小さくなるというか、消極的になる部分も見られました。期待している選手が緊張感ある場数を踏めたのは、大きかったです」

――今年は何冠を目指すか。

「何冠取っても最後(大学選手権)に勝たないといけないですし、勝つために練習、努力をしている。最後に結果を出せるように、学生と話し合いながらやっていきたいなと思います」

――次は15人制の春季大会へ。

「初戦は帝京大学さんとの試合(4月30日、北海道で)。そこで、いま取り組んでいることをしっかり出せるかどうか…です。1戦、1戦、課題が出てくると思うので、それを修正しながら、やるべきことをやっていきます。勝つことにこだわるのは間違いないのですが、春からチャレンジ。満足しないことです」

 選手によれば、いまは「ブレイクダウン(肉弾戦)のシンプルな練習とフィットネスを交互に」。春季大会と同時並行でおこないそうなタフな鍛錬期を経て、再び冬の頂上決戦に挑む。

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

すぐ人に話したくなるラグビー余話

税込550円/月初月無料投稿頻度:週1回程度(不定期)

有力選手やコーチのエピソードから、知る人ぞ知るあの人のインタビューまで。「ラグビーが好きでよかった」と思える話を伝えます。仕事や学業に置き換えられる話もある、かもしれません。もちろん、いわゆる「書くべきこと」からも逃げません。

※すでに購入済みの方はログインしてください。

※ご購入や初月無料の適用には条件がございます。購入についての注意事項を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。欧州経済領域(EEA)およびイギリスから購入や閲覧ができませんのでご注意ください。

向風見也の最近の記事