今週末に催されるWBAミドル級タイトルマッチ
1983年4月11日にキューバ、グアンタナモで誕生したエリスランディ・ララ。間もなく41歳となるWBAミドル級チャンピオンが、今週末、2度目の防衛戦を迎える。
キューバのトップ・アマだったララが、祖国脱出を試みたのは2007年。翌年開催される北京オリンピックで、金メダルの最有力候補とみなされていたララは、ブラジル・リオデジャネイロで催されたパンアメリカン大会中に、亡命を企てた。だが数週間後にブラジル当局に逮捕され、キューバに帰国しなければならなくなった。そればかりか、無期限のトレーニング禁止命令を受ける。
2008年、ララは2度目の亡命にチャレンジ。今度はスピードボートでメキシコに向かうという危険を冒す。成功してメキシコに上陸した後、ドイツのハンブルクを目指し、アリーナ・ボックス・プロモーションとの契約に漕ぎ着けた。
WBAスーパーウエルター級王座に続き、現在2階級制覇中のララは、ようやく手に入れた自由、そして金が稼げるポジションを手渡すつもりは無い。今回は、トップコンテンダーのマイケル・ゼラファと対峙する。
29勝(17KO)3敗3分のララは語った。
「この試合に向けてのトレーニングキャンプは、素晴らしいものになった。ジムでは、常に新しいことを学ぶことが出来る。私のチームは、これ以上ないほど対戦相手に集中しており、勝つためにすべきことは、全てこなした。3月30日、それを御覧にいれよう。
私はミドル級の他の選手には、まったく注意を払っていない。自分だけを見詰めているんだ。3月30日のペイパービューは、ぜひ視聴してほしい。歴史的瞬間に立ち会ってくれ。
自分が可能なこと、すべてをやった。トレーニングキャンプ中、ゴングが鳴ってから錆が生じないように準備を重ねたよ。
マイケル・ゼラファに、ここでメッセージを送る必要は無いだろう。彼は3月30日に向けてコンディションを作り上げねばならないことを理解している。私も彼を下すために調整してきた」
31勝(19KO)4敗のオーストラリア人ファイター、マイケル・ゼラファ(32)も言う。
「世界タイトルマッチのリングに上がれるなんて、とても興奮しています。初めてアメリカで戦った時(2015年9月9日)、私はまだ少年でしたが、今は成人した男です。前と違ったマイケル・ゼラファを見せられるでしょう。私はファイターとして、ララよりも遥かに優れており、世界に衝撃を与える準備は万端です。
自分は精神も肉体も、あらゆる面で伸びました。私の方がチャンピオンよりも経験が豊富です。今こそ、私の時代だと信じています。
ララを心から尊敬していますが、この戦いは判定までは進まないでしょう。自分の過去の対戦相手たちは、私にはとんでもない力があると話しますが、3月30日にはそれを証明しますよ。
これは私にとって世界戦以上のものです。私の姉のミシェルは、現在、乳癌と闘っていますが、彼女の夢は私が世界タイトルを獲得する姿を見ることです。人生を懸けて戦い、タイトルを手にして、姉に勝利を届けたい。自分を証明することの出来る機会を得たことに感謝しています」
両者共、人生を背負って戦う。勝利の女神はどちらに微笑むか。