ノート(190) 陸山会事件の証人尋問に向けた指定弁護士とのやり取り
~工場編(18)
受刑134/384日目
突然の来訪
この日は、いつものように朝から図書計算工場で受刑者に対する差し入れ本の検査などを行っていたところ、午後2時ころ、担当の刑務官から「取調ベだ」と突然呼び出され、事務棟の面談室に向かった。
受刑者には事前に何も情報を伝えないというのが刑務所のルールだし、最高検の中村孝検事による取調べも20日後の予定だったから、誰が何の目的で来たのか、全く分からないままだった。
部屋に入ると、中には初対面の男性が3人いた。2人が陸山会事件で検察官役を務める指定弁護士、1人が東京地検の若い検察事務官だった。
陸山会事件は、東京地検特捜部が秘書3人を起訴する一方、小沢一郎代議士を不起訴にしていた。しかし、小沢代議士は、検察審査会による2度の「起訴相当」議決を経て、強制起訴されるに至っていた。
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