~工場編(16)

受刑106/384日目(続)

仮釈放の取消しも

 実際にどの程度の期間服役すれば仮釈放が認められるかはケースバイケースだ。刑法は有期刑だと刑期の3分の1の経過を要求しているが、現実にはその程度だと仮釈放などあり得ない。

 服役が初めての者でおおむね刑期の4分の3程度、再入者で5分の4程度を経過し、所内での生活態度や身柄引受人などに問題がなければ、そのまま仮釈放のレールに乗るというのが相場だ。最近は厳罰化の要請もあり、この期間が伸びる傾向にある。

 ただ、仮釈放中は必ず保護観察に付される。有期刑であれば刑期満了日までだが、無期刑だと一生にわたって国の保護観察下に置かれる。この保護観察は、保護観察所の保護観察官や地域のボランティアである保護司の指導、支援を受け、社会内で改善や更生を図るという制度だ。

 重要なのは、保護観察中、遵守すべき事項が定められ、書面で告知され、遵守の誓約も求められるという点だ。一般遵守事項と特別遵守事項がある。これらを遵守しないと、仮釈放が取り消されることもある。そうなれば、再び刑務所に収容され、残りの刑期を務めなければならない。

 一般遵守事項は対象者全員に共通するもので、更生保護法に規定されている。例えば、再犯に及ばないように健全な生活態度を保持するとか、保護観察官や保護司の呼出しに応じて面接を受けるとか、定まった住居で生活するといったものだ。

 一方、特別遵守事項は、保護観察の開始に際し、保護観察官による調査結果を踏まえ、保護観察所長が対象者ごとに具体的に定める。犯罪の性質やどのような場合に再犯に及ぶリスクが高まるかといったことを個別に判断し、決定されている。

調査の一環として

 この日は午前中に工場で差し入れ本の整理作業を行ったあと、こうした調査の一環として、午後から面接室で保護観察官との初めての面接があった。

 担当は、大阪保護観察所からやってきたという首席保護観察官だった。目尻が下がった若々しい見た目の男性であり、キャリア官僚だと思われたが、更生保護の現場に近いからか、全く役人臭がしなかった。