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空を飛ぶ無人カメラマンの「HOVERAir X1 Smart」は手のひらサイズの99グラムドローン

武者良太ガジェットライター
(筆者撮影)

日本でドローンを飛ばすのは至難のワザ。100グラム以上の重さのドローンは機体登録が必要なうえ、空港の側や人口が集中している場所などで飛ばすには国土交通大臣の許可が必要になります。

既存の民生用ドローンは100グラムを超える機体ばかり。100グラム以下の機体もありますが、それはラジコンとして飛ばす操作を楽しむホビードローンで、楽しみの幅が狭いという現状がありました。

しかし「HOVERAir X1 Smart」は違います。99グラムという軽量ボディでありながらジンバルカメラを搭載。被写体を追いかけながら撮影してくれる"空を飛ぶ無人カメラマン"なのです。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

発売前のサンプル機をお借りしたので、使ってみました。まずは筆者が所有している2016年に発売されたMavic Proとのサイズ比較から。プロペラやアームを折りたためば500mlペットボトルサイズになるということで、当時はそのコンパクトさが話題となったモデルですが、111 x 142 x 27mmというの「HOVERAir X1 Smart」とのサイズ差は明らか。ワークパンツの腿ポケットであれば収まります。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

前面に備わるカメラは1軸ジンバルつき。1200万画素の写真またはフルHD 60fps、フルHD HDR 30fps、2.7K 30fpsの動画が撮影できます。またフルHD 30fpsの縦位置動画も撮れます。

興味深いのが人物トラッキング機能を備えていること。認識させた状態で歩くと、「HOVERAir X1 Smart」は自分のあとを甲斐甲斐しくついてまわりながら撮影し続けてくれます。

(筆者キャプチャ)
(筆者キャプチャ)

様々な使い方を試してミッションをこなしていくと、ゲームのようにさらなる機能がアンロック。後退しながら自分を真正面に捉え続けてくれる、側面を捉えて飛んでいく撮影モードなどが使えるようになります。

折しも時代はエモいショート動画全盛期。「HOVERAir X1 Smart」なら自撮り棒を使った撮影や、地面を歩くカメラマンとは違った感覚の映像が撮れる独自性の強いカメラであり、あっと驚ける動画が作れます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

画質をチェックしてみましょう。これは筆者の自宅から、飛ばさない状態で撮った写真です。送電線のワイヤーが空に溶け込んでいるなど細部のニュアンスはやや潰れがちですが、ミドルレンジのスマートフォンと同等の画質といえます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

こちらも飛ばさない状態で、コンデジとして使ったときの写真です。被写体までの距離は20cmくらい。かなり寄った状態でも撮影できます。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

下部にはセンサーが組み込まれており、手のひらからの離陸・着陸が可能です。なお左右や上部を見張るセンサーはありません。また機体が小さく、風の影響も受けやすい。そのため周囲の障害物に当たりやすいため、使用するときは開けた場所かつ風の通り道となっていない場所を選びましょう。

(筆者撮影)
(筆者撮影)

バッテリーは交換式。無風状態であれば10分間の飛行ができるとされています。

総じて、完成度の高い空を飛ぶ無人カメラマンであると感じる機体でした。多機能なドローンと比べると物足りない面もありますが、99グラムに抑え込んだのは英断でしょう。

しかしルール上は問題なくても、ドローンを見る目が厳しい日本です。ドローン規制の適用外の機体ですが、どこでも気兼ねなく飛ばせるわけではないことに注意しましょう。

HOVERAir_JP Xアカウント @HOVERAir_JP

ガジェットライター

むしゃりょうた/Ryota Musha。1971年生まれ。埼玉県出身。1989年よりパソコン雑誌、ゲーム雑誌でライター活動を開始。現在はIT、AI、VR、デジタルガジェットの記事執筆が中心。元Kotaku Japan編集長。Facebook「WEBライター」グループ主宰。

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