主な新興国・米国経済ニュース(13日)
米シティグループ、米FRBのストレステストで合格―増配など可能に
米金融大手シティグループ<C>は11日に発表された今年のFRB(米連邦準備制度理事会)のストレステスト(健全性審査)で、他の大手主要30行とともに合格と判断され、昨年3月の前回のストレステストに続いて2年連続の不合格という不名誉な事態を回避した。英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)などが伝えた。
今回のストレステストは、新たな金融危機が起きた時に経営が耐えられるかについて金融資産の質の部分の健全性を測る審査「包括的資本分析レビュー(CCAR)」で、合否の発表前、シティグループが再度、不合格と判断された場合には、マイケル・コルバットCEO(最高経営責任者)やジョン・ガースパッチCFO(最高財務責任者)、ブライアン・リーチCRO(最高リスク責任者)は投資家から解任要求が出される可能性があった。
これに合格したことで、シティグループは株主への利益還元として、配当金を1株当たり1セントから5セントに増配することや、78億ドル(約9500億円)の自社株買いが許可される見通しとなり、トップ更迭も回避されるもようだ。同行は2008年の世界的な金融危機以来、剰余金を内部留保するため、増配を停止している。
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米グーグル、インドモバイル広告ベンチャーのインモビの買収協議開始か
米インターネット検索大手グーグル<GOOGL>はインドの携帯電話向けモバイル広告のベンチャー企業インモビ(InMobi)を買収する方向で協議を開始したもようだ。米経済専門チャンネルCNBC(電子版)が11日、関係筋の話として伝えた。
インモビは携帯電話など移動体通信機器のユーザー向けに広告を発信する事業を世界規模で展開しており、2007年に創業以来、現在は世界200カ国に10億人超のモバイル広告のユーザーがいるとしている。同車には日本のソフトバンクやインド大手ベンチャーキャピタルのシャーパロ・ベンチャーズも投資している。
関係筋によると、グーグルとインモビの買収協議は始まったばかりで、グーグル側もまだ具体的な買収条件を提示していないという。インモビは先月、同社のモバイル広告のユーザーの43%は北米と西ヨーロッパで、38%がアジア・太平洋地域となっていることを明らかにしている。
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インドネシア政府、ルピア安阻止狙い経常赤字削減策導入へ
インドネシア政府は、自国通貨ルピア安に歯止めをかけるため、税優遇制度による輸出振興など経常赤字削減策を打ち出す方針を明らかにした。アンタラ通信(電子版)が10日に伝えた。
産業界では、最近のルピア安の進行によって海外からの原材料輸入コストが上昇することへの懸念が強まっている。このため、バンバン・ブロジョネゴロ財務相は10日、「為替相場の不安定要因となっている大幅な経常赤字の問題を解決する必要がある」と述べ、貿易収支と資本収支の改善を目指すとしている。
同国の経常赤字は昨年第2四半期(4-6月)に91億ドル(約1.1兆円)と、前期(1-3月期)の42億ドル(約5100億円)から2倍以上に増大し、昨年1年間の経常赤字は対GDP(国内総生産)比3%の61億ドル(約7400億円)となっている。貿易収支の改善に関し、同相は、反ダンピングやセーフガードの発動による輸入課徴金の導入を容易にする省令の発布や全製品の3割以上を輸出する企業に対する税優遇措置で輸出拡大を目指したいとしている。特に造船会社に対しては、10%のVAT(付加価値税)免除で支援したい考え。
一方、資本収支の改善では、政府は外国への配当金送金を停止し、その代わりに国内に再投資する企業への税優遇措置を導入するとしている。10日のルピア相場は、1ドル=1万3050ルピアと、今月初め時点の1万2975ルピアからドル高・ルピア安となっている。
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ロシア2月新車販売台数、前年比38%減に―前月は同24%減
ロシアに進出している外国企業で構成する欧州ビジネス協議会(AEB)は10日、ロシアの2月の新車販売台数(軽商用車含む)は前年比38%減の12万8298台と、前月(1月)の同24%減に続いて2カ月連続で急落したことを明らかにした。この背景には原油安や自国通貨ルーブルの対ドルでの急落、西側の対露経済制裁でロシア経済が悪化し、新車販売価格の上昇も手伝って、多くのメーカーで新車需要が消えたことがある。モスクワ・タイムズ(電子版)などが12日に伝えた。
外国車の中でも、米自動車大手フォード・モーター<F>は同78%減となり、ロシアでの生産継続が危うくなってきているほどだ。シボレーは同74%減、米自動車最大手ゼネラル・モーターズ<GM>傘下の独オペルも同86%減となった。ただ、これとは対照的に、トヨタ自動車のレクサスや独高級自動車大手BMW、ドイツ自動車大手ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツといった高級車は増加を維持している。
AEBでは今年の新車販売台数は前年比24%減になると予想している一方で、米会計大手プライスウォーターハウスクーパース(PWC)は同25-35%減と、より厳しい見方だ。
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米ムーディーズ、マレーシア国営ペトロナスは来年利益回復と予想
米信用格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11日、マレーシア国営石油・ガス大手ペトロナスの業績見通しについて、2016年には原油価格の上昇に伴って利益は回復すると予想していることを明らかにした。マレーシアの地元紙ニュー・ストレート・タイムズ(電子版)が12日に伝えた。
ムーディーズは、「今年の原油価格は1バレル55ドルに回復し、来年にはさらに65ドルにまで上昇する」とした上で、「ペトロナスの業績の改善も同社の原油生産量が今後2年間にわずかながらも増加することを前提条件として織り込んだ」と指摘している。
また、ペトロナスの格付けについて、ムーディーズは、現在の「A1」と、格付けに対する見通し(アウトルック)「安定的」は今後も維持されるとしている。その根拠として、「昨年12月末時点で現金と現金同等の合計額が1362億リンギット(約4.5兆円)となっているのに対し、バランスシート(貸借対照表)上の負債額は368億リンギット(約1.2兆円)と、レバレッジ(借り入れ)比率は低く、負債に対する資金流動性も潤沢で財務体質は低コスト生産などによって一段と強くなっている」とし、また、「同社の設備投資は今後5年間で、年平均約600億リンギット(約2兆円)の高水準が維持される」とも述べている。(了)