熱帯低気圧「イメルダ」で史上5番目1,000ミリ超の大雨 テキサス州
大雨の原因「イメルダ」
トロピカルストーム「イメルダ」が17日(火)テキサス東部に上陸しました。その後まもなく熱帯低気圧に変わりましたが、4日以上停滞を続けています。
イメルダはハリケーンよりも弱い勢力で、それほど強い嵐ではなかったものの、速度が遅いこと、さらに暖かく湿ったメキシコ湾上の空気をもたらし続けていることで、テキサス州に記録的な大雨を降らせているのです。
気象局は、信じがたいほど危険で、命のリスクを伴う状況であると表現し、日本の特別警報にあたる最大級の警報「エマージェンシー警報」を発令しています。
大雨の被害
この大雨の影響で、1人が死亡したもようです。ヒューストンではバスや電車などの交通機関が止まり、一部では家屋が2.5メートルも水に浸かって、多くの人々が避難を余儀なくされているといいます。一つの郡だけで1,000件の救助活動が行われたもようです。
巨大竜巻も
18日(水)には下の動画に映っている巨大な竜巻も発生し、飛ばされたプロパンタンクが家に激突して被害が出ています。
史上5番目の大雨
一体どれほどの雨が降ったのでしょうか。
アメリカ気象局によると、ノースフォークテーラーバイユーという場所で1,093ミリの雨が降ったそうです。これはアメリカ本土において、ハリケーンなど熱帯性の嵐から降る雨としては史上5番目の量です。
またハムシャーでは6時間で438ミリ、ヒューストン周辺では1時間で157ミリの記録的な雨も降ったようです。ちなみに日本の時間降水量の記録は153ミリです。
雨のピークは越えたものの、21日(土)にかけても、さらに雨量が増える見込みです。
ハリケーン「ハービー」から2年
2年前の8月、テキサス州はハリケーン「ハービー」の直撃に遭い、68名が命を落としました。ハービーといえば、テキサス州に4日間も居座り続け、1,539ミリの降水をもたらし、全米史上最も大雨を降らせたハリケーンとして記録されています。
ハリケーン続々と…
9月はハリケーンシーズンのピークですが、今月はいつにも増して多くのハリケーンが発生しています。
現在太平洋東部にはトロピカルストーム「キコ」「マリオ」「ロレーナ」の3つが発生、そのうちロレーナは18日(水)メキシコ南西部に上陸、週末には再びメキシコに上陸する見込みです。
一方、大西洋ではハリケーン「ウンベルト」と「ジェリー」が発生しています。ウンベルトは18日(水)カテゴリー3の非常に強い勢力でバミューダに最接近し、国全体の80%の地域で停電が起きているもようです。
※追記(10/4)※
イメルダによる最大降水量は1,125ミリとなりました。