米証券取引委、JPモルガン・チェースを中国有力者の子息・子女の縁故採用で調査に入る
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は17日付電子版で、米証券取引委員会(SEC)が米金融大手JPモルガン・チェース<JPM>に対し、同行が中国金融当局の元幹部の子息らを社員として縁故採用し、そのコネを利用して中国企業から大きな商談を獲得し利益を上げていた疑いで調査していると伝えた。
同紙によると、JPモルガン・チェースは、中国金融当局の中国業監督管理委員会の元副主席で、現在は中国国務院系投資会社の中国光大集団(チャイナ・エバーブライト・グループ)の会長である唐双寧氏の子息、唐暁寧氏を社員として採用し、その後、中国光大から複数の大きな商談の獲得に成功した、としている。唐暁寧氏は昨年12月に退社している。
JPモルガン・チェースはSECに提出した今月7日付の報告書で、SECがこの問題について調査を開始したことを明らかにしており、その中で、SECは同行が香港支店から縁故採用や顧客企業との商談に関する文書や情報を提出するよう要請したとしている。
また、ニューヨーク・タイムズ紙によると、JPモルガン・チェースの香港支店では中国の鉄道建設大手、中国中鉄の幹部、張曙光氏の娘、張曦曦氏を縁故採用したあと、2007年の中国中鉄の新規株式公開(IPO)の引き受け幹事に指名され、50億ドル(約4900億円)の資金調達を実現したとしている。張曦曦氏も2008年に退社している。
市場の注目を集めた週明け19日のJPモルガン・チェースの株価は、米東部時間午前9時58分時点で、前週末比1.43%安の52.53ドルで推移している。