Yahoo!ニュース

モノを捨てないのは愛情?捨てにくい子どもの物(工作、お下がり)はどうする?整理収納のプロがアドバイス

鈴木久美子片付け・収納専門家

片付け・収納の専門家、鈴木久美子です。私は整理収納アドバイザーとして700件以上、片付けや収納に悩む皆さんのご自宅の改善サポートをしています。物が多いご家庭に共通して言えるのは、子どもの物が多いという点です。「これ捨てていいですか?」「みんなはどうしていますか?」と、よくご質問がある子どもの物について、考え方と対策についてお話したいと思います。

大切にするのはモノ?人?

私がご訪問させていただいている、物が多すぎて散らかっているご自宅のほとんどが子どもの物を捨てていません。子どもを大切にする、という事と、子どもの物を何でもかんでも取っておくという事は全く別物だと思って下さい。

大前提でお話ししたいのは、スッキリして片付いた家も、散らかって片付かない家も、子どもの事を大切に思っていることに変わりはないという事です。物が多すぎる家では、子どもの物を捨てるのは、子どもがかわいそう、という思い込みがあり、「子どもが生まれてきてから、何一つ捨ててないんです」とおっしゃる方も多いです。衣類だけでなく、肌着やおもちゃも何一つ捨てないんです。

幼稚園や習い事からのお知らせプリントまでも全て残している人もいます。例えば、もうすでにお子様は小学6年生で、ゲームに夢中な年齢なのに、ベビー期のアンパンマンのおもちゃや、布おむつまで全て取っていらっしゃる人もいました。

私も子どもがいる母親なので、子どものベビー期の物には思い出があったり、懐かしかったりする気持ちは、痛いほど分かります。ですが、何1つ捨てずに暮らしていたら、完全に家は崩壊します。

物だらけで散らかって、友達を一度も家に呼んだことがないというご家庭、ダイニングテーブルが山盛りで、モノをよけてモノに囲まれて食事をする家庭、3つも部屋があるのに、物置部屋になってしまい、子ども部屋がない家…。

本当に大切にすべきなのは、モノ?人?どちらでしょうか。

子どもの作品・工作

画像:実際の我が子の昔の作品です
画像:実際の我が子の昔の作品です

捨てにくい物の代表例、子どもの作品や工作、皆さんはどうしていますか?幼稚園や保育園だと、学期末などに大量に持ち帰ってくるのではないでしょうか?かなりの確率で捨てずに残しているご家庭が多いです。でも、全て残していると、収納内には入りきらず、1つの部屋が物置き部屋となっていくのも時間の問題です。

よく、片付け系の雑誌や記事では、子どもの思い出は写真に撮って捨てましょう、と書かれている事が多いですね。それはそれで正解ですが、その写真、しっかり整理できていますか?さらにいうと、「写真に撮ってから捨てようと思っているんです」と言いながら、面倒になり、あちこちに放置された工作が落ちていることが多いです。すでに工作はボロボロに壊れていたりすることがほとんどです。ちなみに、数年経った、よくわからない工作の写真をみても何も面白くないんです。もし、写真に残したい工作であれば、子どもに持たせて、子どもの笑顔と一緒に写真に撮りましょう。その時期のお子さんの笑顔と工作が一緒の写真に残る事で、より思い出は深くなるはずですよ。

ちゃんとした工作や作品ならまだしも、子どもは日々、何か切ったり貼ったり工作をします。工作は、創造性をはぐくみ非常に素晴らしいことなので、どんどん作るのは大歓迎。ただし、その全てを取っておくのは不可能です。とはいえ、捨てようとすると、子どもは、捨てないでと言うことが多いです。ですが、最初から、作ったモノはここに入るだけしか置けません、と子どもに対してもしっかりとルールを決めましょう。厳しいようですが、モノの管理を教える事や暮らしを快適にすることは、結局はお子様の幸せにつながるはずです。

人からもらったお下がりの物

人からもらったお下がり服やお下がりのおもちゃが大量にあるという人も多いです。もちろん、いただいた物をしっかり使うのなら、なんの問題もないのですが、大量にもらった衣類は紙袋や段ボールに詰められたまま、全部見るのも面倒だと放置している人や、ちょっと見たけど趣味じゃないのよね、などと言って、大量に残しているんです。

私がサポートに伺って、押し入れやクローゼットの奥から引っ張り出した時にはすでにサイズアウトしている事も多いです。

そこで、お客様はたいていこう言います。

「人からもらった物だから捨てたら悪いですよね」

さて、コレを聞いて皆さんは何か疑問は感じないでしょうか?

趣味じゃないのよね、なんて言いながら着る気もなかった時点ですでに失礼ですし、もうサイズアウトしたんだから手放すしかないじゃん!と思いませんか?もちろん、捨てる以外の方法でも良いんです。ただ、また大量のお下がり服を、人にお譲りすることで、その方のスペースを埋め尽くしてしまうのも心配です。お譲りするときは、使わなかったらすぐに捨ててね、と一声かけるとか、顔の見える知り合いではなく、リサイクルショップにもっていくなどの方法も良いと思います。

モノをもらった時点であなたのモノです。捨てていいかどうかは、何の遠慮も不要です。あなたが決めればいいのです。

モノよりも大切な事

今回、声を大にして言いたいのは、子どものためだと言って、なんでも取っておくのは考えものです。作品、工作は全てを残しておくのではなく、思い出も厳選する必要があるという事。もちろん、思い出の物を残すことは素晴らしいですが、スペースには限度があります。子どものスペースを作れない、家族でくつろげない家になってしまっては何の意味もないという事をしっかりと認識して下さい。

家は、人のためにあります。物を保管するだけなら、ただの倉庫です。住まいは、家族が快適で、楽しく過ごす場所であり、友人などを招いて、人との交流をしたりする場所です。モノを取っておくことが愛情ではない。もちろん捨てる事も愛情ではないですが、要は、モノをどうするか?ではなく、家の中で人がどう過ごしたいかを考えてから、モノをどうするかを決めればいい。

モノありきで考えて、人が不自由な思いをするのは本末転倒です。

片付け・収納専門家

整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリストの資格を保有し、片付け・収納の専門家として活動中。個人宅の片付け、収納のサポートを中心に、講座、記事執筆、Instagram、YouTubeなどで暮らしに役立つ情報を発信している。TV(NHKニュース7、ZIP、ラヴィット、ズームインサタデーなど)TV、メディア出演多数。整理収納アドバイザー2級認定講師として整理収納アドバイザーの育成もしている。

鈴木久美子の最近の記事