ICTリテラシー教育に背を向ける佐賀県?!
かなり煽った標題になっていることは自覚の上で問題提起をしています。今になってさえ、小中学生におけるスマホの学校への持ち込みを禁止することだけでなく、その所持自体を禁止している自治体があるとは信じられません。現代において、そしてこれ以降10年以上はスマホ、あるいはその進化系がサイバー社会と人との接点になります。スマホを使いこなせなければサイバー社会で生き抜くことはできないと言っても過言ではありません。人格形成に必要な時期、そして最も吸収力がある小中学生の折に、サイバー社会の言わば「読み書きそろばん」であるスマホや、その代表的なアプリを教えることなく、高校生になって初めて接してサイバー社会で十分活躍できる人材を育てることができるのでしょうか。活躍できなくとも、SNS等、サイバー社会で利用される様々な仕組みやその利用方法を身に着けることはできないでしょう。実際、SNSや様々なネットサービスで問題を起こしている最大の理由は、ICTに関わるリテラシーが身についていないからなのです。単に教科書で書いていることを頭で理解しても、実際に使い、そしてその問題点を身をもって体験しなければ身につくものではありません。「スマホ所持禁止」は事実上、サイバー社会との縁を切らせ、日本政府が進めるところの科学技術政策であるSociety5.0にも背を向けることとなるのです。
この「スマホ所持禁止」は「サイバー社会」への適合、そして生活の放棄につながり、教育の本質にかかわる重大事であると考えられます。教育とは社会に適合し、そして社会の問題に対処できる人材を育てることではないでしょうか。もはや教育の理念を捨てたと言っても過言ではありません。
問題自体にふたをするのは決して教育ではありません。その問題に対して未来永劫、ふたをすることができるならともかく、中学3年生の3月31日までふたをして、翌日の高校1年生の4月1日には何の準備もなくふたを開けさせることは教育といえるのでしょうか。
国民全体がサイバーテロやサイバー犯罪に大きな不安を抱いている現代、ICT技術やそれに支えられたサイバー社会を正しく理解し、生き抜く術を教育することは必須であることから、佐賀県の取り組みは大きな矛盾を抱えているのではないでしょうか。ただ、
とのことで今後の救いともなっています。2018年になった今からでも再検討することを期待しています。