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イタリアで竜巻発生 ファーストフード店の看板が車に直撃も

森さやかNHK WORLD 気象アンカー、気象予報士
(ペイレスイメージズ/アフロ)

世界遺産カゼルタ宮殿のあるイタリア南西部の都市近郊で、12日(月)巨大な竜巻が発生しました。地元メディアによると、複数の人がけがをし、多数の建物や車に被害が及んでいるようです。

竜巻の詳細

上の動画がその竜巻です。この巨大な竜巻は現地時間12日(月)午後7時頃、イタリア南西部の都市カゼルタ近郊で発生しました。すでに日は暮れており、暗闇の中に巨大な雲の塊が映っているのがわかります。

また下の写真には、ファーストフード店のバーガーキングの看板が根元から折れ、車の上に落下している様子が映っています。ただ幸いにもこの車の中には人はいなかったようです。

イタリアの竜巻災害

ところで、イタリアの竜巻は珍しいのでしょうか。

三方を海に囲まれたイタリアでは、海上で発生した水上竜巻が、陸に上陸して被害をもたらすことがしばしばあります。去年12月には、リゾート地として知られる北西部のサンレモの町に海上竜巻が上陸し、町の中心部を直撃しました。

さらに数十年前には、ヨーロッパ史上に残る、最強クラスの竜巻が発生しています。

1930年7月14日、イタリア北東部のヴェネト州周辺で発生した竜巻の風速は、秒速約140メートルにも及んだと推測されています。

これはヨーロッパの一部の国で用いられている竜巻のスケール「トロ(TORRO)スケール」でいうところの最大級のカテゴリー(T10-11)に匹敵します。The TORnado and storm Research Organizationによると、過去ヨーロッパでこの規模に達したのは、このほかに1845年にフランス・モンビルで発生した竜巻だけとのことです。

NHK WORLD 気象アンカー、気象予報士

NHK WORLD気象アンカー。南米アルゼンチン・ブエノスアイレスに生まれ、横浜で育つ。2011年より現職。英語で世界の天気を伝える気象予報士。日本気象学会、日本気象予報士会、日本航空機操縦士協会・航空気象委員会会員。著書に新刊『お天気ハンター、異常気象を追う』(文春新書)、『いま、この惑星で起きていること』(岩波ジュニア新書)、『竜巻のふしぎ』『天気のしくみ』(共立出版)がある。

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