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ノート(59) 実際に取調べ官を交代させられた体験に基づく実例

前田恒彦元特捜部主任検事
(ペイレスイメージズ/アフロ)

~達観編(9)

勾留22日目(続)

福島汚職事件でも

 特捜部時代、捜査の過程で取調べの担当を解任され、別の検事と交代させられたこともあれば、逆に新たな取調べ担当として、前の検事と交代したこともある。主任検事を務めた時には、取調べ官を交代させたこともある。いくつか代表的な実例を挙げてみたい。

 東京地検特捜部の1班が手がけた福島県知事らによる贈収賄事件もその一つだ。今でこそ撤回しているものの、この事件で有罪判決が確定した元知事は、上告棄却後のコメントの中で、次のような趣旨の発言をしていた。

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元特捜部主任検事

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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