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棋王復位&タイトル通算100期なるか? レジェンド羽生善治九段、今期ベスト4をかけ広瀬章人八段と対戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 9月14日。東京・将棋会館において第48期棋王戦コナミグループ杯・挑戦者決定トーナメント4回戦、羽生善治九段(51歳)-広瀬章人八段(35歳)戦がおこなわれます。

 今期トーナメント。羽生九段は千葉幸生七段、佐藤康光九段に勝ってベスト8に進出しました。一方の広瀬八段は出口若武六段、菅井竜也八段に勝っています。

 本局の勝者はベスト4に進出。次戦で伊藤匠五段(19歳)と対戦します。

 タイトル通算獲得数99期を誇る羽生九段。棋王戦でも数々の驚異的な実績を打ち立ててきました。

 羽生現九段は1990年、棋王戦史上最年少の20歳で棋王位を獲得。

 1994年、24歳で5連覇を達成。永世棋王の資格を得ました。

 2001年、12連覇を達成。この記録は現在でも史上1位の最長記録として残っています。現在は渡辺明現棋王が10連覇中ですが、もし羽生九段が連覇記録阻止をかけて五番勝負に臨む構図になれば、それもまた大変に盛り上がりそうです。

 羽生九段の棋王位通算獲得数は13。これもまた史上1位です。

 ファンが望むタイトル通算100期は、いつ達成されるでしょうか。

 広瀬八段はタイトル通算獲得2期。本棋戦でもコンスタントに上位に進出し、2018年、五番勝負に登場。渡辺棋王に挑戦しています。

 広瀬八段は今年度竜王戦では藤井聡太竜王への挑戦権を獲得。常にタイトルを保持していても、なんら不思議ではないポジションにいます。

 両者の過去の対戦成績は羽生21勝、広瀬16勝です。

 前年度は2回対戦し、王将戦リーグでは羽生九段、A級順位戦では広瀬八段が勝っています。広瀬八段が2局とも先手で、戦型はいずれも角換わりでした。

 現在の広瀬八段はオーソドックスな居飛車党。対して羽生九段は基本的には居飛車党ながら、オールラウンダーでどんな戦型も指しこなします。現代の最新形か。あるいは羽生九段の作戦次第で、序盤からあまり見たことのない進行になるかもしれません。

 本局の勝者はベスト4に進出。次戦で伊藤匠五段(19歳)と対戦します。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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