韓国の保守団体がベルリンで「慰安婦像」の撤去を要求!設置した在独韓国人団体と睨み合う!
韓国のソウルでは2011年に日本大使館前に設置された「慰安婦像」周辺で毎週水曜日に集会を開いている「慰安婦」支援団体「正義記憶連帯(正義連)」と像の撤去を求める韓国の保守団体との間で昨年から頻繁に小競り合いが演じられているが、韓国内のバトルがドイツのベルリン市内に設置されている像の前でも再現され、現地ではちょっとした話題となっている。
「ベルリン慰安婦像」はドイツ在住の韓国人団体「コリア協議会」が主導し、ベルリン市ミッテ区の許可を得て、2020年9月25日に1年期限でブランデンブルク門やベルリン中央駅などがあるミッテ区の公共の場に設置されているが、慰安婦像の設置は「2015年の日韓慰安婦合意に反する」とする日本政府の抗議もあってミッテ区は一旦、許可を取り消し、「撤去せよ」との行政命令を出していた。しかし、これに反発した「コリア協議会」が「1年の期限付き設置を認められていた」として行政裁判所に撤去命令執行停止仮処分を申請したことで撤去処分は保留のままとなっている。
その後、ミッテ区議会はこの年の12月1日に全体会議を開き、設置期限を2021年9月25日まで延長することを採決し、さらには区議会のフランク・ベルターマン議長自身が永久存置に積極的だったことから区議会は昨年3月1日にはフォンダッセル区長に対して撤去せず、永久保存するよう求める決議まで採択していた。
今回、「ベルリン慰安婦像」の撤去を求め、現地に乗り込んだのは「ソウル集会」反対運動を主導している「親日派」の象徴、朱玉順(チュ・オクスン)さんが率いる保守系市民団体「オンマ(母親)部隊」代表らで、25日にベルリンに到着すると、ベルリン市議会に意見書を提出し、設置に反対する記者会見を行っていた。また、昨日(26日)から「ベルリン慰安婦像」の前で「慰安婦詐欺を止めろ!」、「慰安婦は戦時中の性暴力の被害者ではない」との横断幕を掲げ、設置反対を叫び、気勢を上げていた。
ベルリン滞在中に「コリア協議会」との公開討論も申し入れている一行(4人)の中には慰安婦法廃止国民運動代表である金柄憲(キム・ビョンホン)国史教科書研究所所長、「反日種族主義」の著者として知られている李宇衍(イ・ウヨン)洛星大学経済研究所研究員の他、「ヨシダ・ケンジ」という名の日本人も含まれていた。4人とも「正義連」に対抗して今年1月に立ち上げた「慰安婦詐欺清算連帯」のメンバーである。
ベルリンからの慰安婦像の撤去を求める一行の抗議運動は今月30日まで行われるが、思わぬ「敵」の出現に事の成り行きを危惧した「コリア協議会」もメンバーを総動員し、ドイツの女性団体「クラジ女性組合」のメンバーや極右に反対する市民運動団体の活動家、それに労働組合や与党社会民主党(SPD)のミッテグ青年委員会からの「援軍」を得て、韓国の「遠征部隊」に対抗する集会を開き、ドイツ語と韓国語で「家に帰れ!」と「もっと学べ!」と連呼し、一行に抗議していた。韓国メディアの現地からの報道ではこれにはベルリンの日本人女性団体も加わっていたそうだ。
「ベルリン慰安婦像」の撤去を求めている日本は岸田文雄首相が4月に訪日したドイツのショルツ首相に撤去に向け協力を要請していたことから韓国内には「慰安婦詐欺清算連帯」一行の「ドイツ遠征」と日本との関連を指摘する向きもある。