サンウルブズ立川理道、緊急司令塔登板を振り返る。【ラグビー旬な一問一答】
サンウルブズは故障者に泣いた。インサイドセンターとして控えに入っていた立川理道は、前半14分から司令塔のスタンドオフとして途中出場。他のポジションでも本職と違う選手が並ぶなか、いかに乗り切ろうとしたのだろうか。
3月3日、東京・秩父宮ラグビー場。国際リーグのスーパーラグビーへ参戦3季目のサンウルブズは今季2戦目にあたる第3節をおこない、レベルズに17―37で敗れた。日本代表のキャプテン経験もある28歳の立川が、取材エリアで開幕2連敗を喫したこの試合を振り返る。試合後の5日から19日までの南アフリカ遠征についても展望した。
以下、共同取材時の一問一答の一部(質問者はすべて当方。編集箇所あり)。
――緊急事態での出場でした。
「10、12番(それぞれスタンドオフ、インサイドセンターの背番号)のカバーだったので準備はしていました。この試合、本当にたくさんのけが人が出ました。控えがいない状態でウイングにけが人が出たので、ゲーム中に立て直すのは難しかったです。ただ、1人ひとりの役割のところはできたと思います。改善できるところはたくさんありましたし、満足はしていないですが、あの状況のなかでのチームのパフォーマンスとしては悪くなかったのかなと思います」
――ハイボール(高く蹴り上げたボール)への処理について。
「後半はハイボールのところでターンオーバーされたりと、あまり処理がうまくいかず、相手にリズムを作らせてしまった。最初のセットピース(スクラム、ラインアウトなどといった攻防の起点)からのディフェンスもよくなかった。ああいうところは修正しないといけません」
――後半5、8、12分と連続でトライを取られましたが。
「少し、コミュニケーションがなくなってしまっていた。逆にああいう状況の時は、いつも以上にコミュニケーションを取って自分の役割を明確にするのが大事だったと思います。それが少しできないままセットピースからのディフェンスに入ってしまったところがあった。タフなシーズンでは、ああいう状況は(また)あると思う。改善したいです」
――攻撃では。
「アタックでは、チャレンジできるところはチャレンジしていたと思います。ラインアウトでマイボールにするのが難しかった。ラインアウトリーダーだったリーチ(マイケル)さんとは、どういうサインがいいのかとか、いったんオーバーボール(並んでいるフォワードよりも後方へ球を投げるプレー)で崩した方がいいのかとか、細かいことを話し合いながらできました。ただ、全体を通して成功率は低く、相手もそれをわかってタッチへ(ボールを)出してきた部分もあったと思います。今週(レベルズ戦前)はディティールのところもこだわってやってきたので、メンバーが代わってもそういうことをできるよう、しっかりやっていきたいです」
――これから南アフリカで2試合、おこないます。
「ツアーに行って、試合して、場所を変えて、試合をして、帰ってきてまた試合をして…と、この3試合はタフになるし、対戦相手も強い。ツアーに行くメンバーはひとつになって、しっかりと準備していきたいです」
もともとスタンドオフとしてのプレー経験は豊富な立川だが、日本代表などではおもにインサイドセンターに入る。司令塔をサポートしながら防御網へ果敢に仕掛けるインサイドセンターのポジションは周囲からも立川のベストポジションと見られており、国際舞台での立川はインサイドセンターに入ることが多くなっていた。
もっとも今度のツアーには、スタンドオフの選手が1人も帯同しない。サンウルブズに発足初年度から参戦する立川がスタンドオフを務める可能性は、今後もありそうだ。役割は大きい。