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ワーケーションは温泉で!仕事に集中したいならテレワーク可能な旅館に泊まろう

高橋一喜温泉ライター/編集者

筆者は文章を書く仕事をしているが、執筆に集中したいときは温泉宿にこもって作業をしている。

すこぶる仕事が捗るだけでなく、温泉で心身を癒やされる。まさに一挙両得な働き方のスタイルで、これを「温泉ワーケーション」と呼んでいる。

「仕事を一気に終わらせたい・・・」「仕事に集中して取り組みたい・・・」。そんなときは温泉地でワーケーションを実践してみてはいかがだろうか。

温泉ワーケーションの目的

「温泉ワーケーション」の目的には、大きく分けて2つある。

①温泉フォーカス  

②仕事フォーカス

つまり、バケーション(余暇)である温泉中心のプランにするか、それとも仕事を中心としたプランにするか、である。

「まとまった仕事を一気に終わらせたい」「仕事に集中して取り組みたい・・・」。このようなケースでは当然、仕事フォーカスとなる。タスク完了に必要な期間、同じ宿に連泊して、仕事漬けの環境をつくるのだ。

仕事に集中するには、にぎやかすぎない落ち着いた温泉地が最適である。一人で滞在すれば、自分のペースで仕事ができ、誰かの邪魔が入ることもない。一日中、部屋やコワーキングスペースにこもって仕事に打ち込むことも可能だ。

息抜きや気分転換に温泉につかることもできるし、一日の締めに、温泉で疲れを洗い流すこともできる。

旅館に「缶詰め」になった小説家

実は、「温泉地にこもって仕事に集中する」というスタイルは今に始まったものではない。

いまも古典として作品が広く読まれている有名小説家たちも、温泉旅館に「缶詰め」になって作品の構想を練ったり、執筆作業に勤しんだりしていた。現代でも執筆のためにホテルなどに缶詰めになる作家は多い。

温泉を愛した文人墨客は少なくない。今も「作家〇〇〇〇先生ゆかりの宿」は全国の温泉地に存在する。

温泉宿に長期滞在して作品を書き上げる。これは、現代でいえば、温泉地で仕事をして成果を出す、つまり「温泉ワーケーション」と同じである。

100年以上も前から温泉地で作品づくりに励んでいた小説家は、温泉ワーケーションの先駆者であったわけだ。

温泉で生産性が上がる

仕事フォーカスのワーケーションは、温泉に入る以外は仕事に没頭するつもりで現地入りするので、ふだんよりも生産性が高まる。筆者の場合も、いつもなら2~3週間はかかる量の仕事が、滞在1週間で完了したこともある。

「チェックアウトまでには終わらせたい」という締め切り効果も働き、いつもより3倍は仕事の効率が高まる感覚がある。

もちろん、ワーケーションなので、温泉も最大限楽しむ。仕事で疲れて、集中力が途切れてきたり筆が進まなくなったりしたら、温泉に入る。1日に4~5回は温泉に入る。そのたびに、脳がリフレッシュされる悦びを味わい、仕事に対する集中力も研ぎ澄まされていく。

このように温泉ワーケーションを通じて「缶詰状態」を自ら作り出すことで、大きな仕事の成果を得ることもできるのだ。

仕事環境をチェック

温泉ワーケーションで「缶詰め」になるときに気になるのは、Wi-Fiなどのビジネス環境だろう。

仕事の種類や性格にもよるが、仕事にフォーカスするならWi-Fiやデスクまわりなど、仕事に打ち込みやすい環境が整っていることは重要である。インターネット環境が生産性を左右する仕事であれば、Wi-Fiの速度は死活問題である。ビジネス環境のチェックは怠ってはいけない。

ひと昔前まではWi-Fiが飛んでいる温泉旅館は多くなかった。地方の小さな温泉地に行けば行くほどWi-Fi率は低くなり、スマホでさえつながるかどうか怪しいものだった。

だが、コロナ禍を経てテレワークやワーケーションが浸透してからは、地方の小さな旅館でもWi-Fiを完備するケースが急激に増えた。遠く離れた鄙びた温泉地にいながらウェブ会議も可能である。

とはいえ、事前の確認は必要だ。現地に行ってみて、「全然Wi-Fiがつながらない!」と気づいても手遅れである。

そういう意味では、「缶詰になるときはここ!」という馴染みの旅館やホテルを決めておいたほうが無難である。1泊でもよいので、一度滞在してビジネスに集中しやすい環境かどうかを事前に確認しておけば安心である。

高橋一喜|温泉ライター

386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3700超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信中

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3900超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『スーパーJチャンネル』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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