1000件以上片付けたプロが伝える、片付けがうまくいかないのは○○な性格のせいだった
片付け、収納の専門家、鈴木久美子です。年末も迫ってきました。今年もたくさんのご家庭のサポートをしてきました。
毎日忙しく暮らしていて、片付けても片付けでも終わりが見えない、もっと日々の暮らしをラクにしたい、と思っている人は多いと思います。
私は日々片付けに悩む皆さんに真剣に向き合いながら、サポートをしています。今までも何度かこのYahoo!記事でも、物と人間の関わり方について述べてきました。もしよかったら今回も少しお付き合いください。ちょっと強めの発言をしていますが、誰かの心に届けるため、表面的な収納技や見かけだけの話ではなく、大切な事をお話ししたいと思います。
心配・不安
心配でストック買いすぎる
暮らしがスムーズにいかないのは心配しすぎているしかもしれません。これがなくなったそうしよう、と不安になり、買い込みしすぎる人が多いです。もちろん水や食料などある程度の防災備蓄は必要ですが、シャンプー、洗剤、お気に入りの化粧品などを、そんなにたくさん家にため込む必要はあるのでしょうか。
いざというときに、その洗剤はなくても死にはしないです。いつも皆さんに言っているのですが、どうせ物を買って、自宅のスペースを使うのなら、暮らしが豊かになり、気持ちがうれしくなる物にしましょう、とお伝えしています。同じカビ取り剤が10本あって、そんなに幸せになれますか?ジップロックやレジ袋だらけでハッピーという人はいないと思います。もちろん、無いと困る物ですが、そんなに大量にあっても意味がない。どうせなら、もっとうれしくなる物を持ちませんか?
ちなみに、同じ洗剤を10本ストックしている人はシャンプーもラップもジップロックもいろいろな日常消耗品をいくつもストックする癖があります。その結果、自宅内がストックだらけになっているのです。
心配・不安を解消するために
必要以上にため込んでしまう人は必要な量を把握していないのが原因である事が多いです。特に消耗品のように、たくさんあっても別にうれしくもないような物はできるだけ必要最低限にしするのがベストです。心配、不安を解消するためには、曖昧な数ではなく、自分にとって、どれだけの物が必要かを明確にすることが大切です。1本の洗剤がどれくらいの期間持つのか、ストックはいくつなら収納できるのかを把握すること。
また荒治療ですが、一回無理してでも無い状態を経験して、乗り越えてみるのも1つです。例えば、ラップがないと絶対に困ると思い、いつもラップをストックしている人は、ラップを完全に使い切ってみましょう。1日くらいなんとかなるんです。
(実際、私も実験的にいろんな物を切らして暮らしてみたりしています。)
シャンプーを切らしてしまっても、溜まっていたサンプルを使えばいいんです。何とかなる、と気がつけばそんなに不必要にストックすることもなくなります。
以前にお客様から言われた言葉が忘れられなのですが、「鈴木さんはカレールーが切れたらと思うと不安じゃないんですか?」と言われたんです。確かに、カレーにしようと思ってカレーを作り始めて、ルーがなかった時は困りますが、シチューにしても、肉じゃがにしても、別にいい、と思いませんか?そんなことが不安だったら、人生不安に押しつぶされてしまいます。
欲張り
欲張りな心も暮らしがうまくいかない原因です。お客様からいろいろな要望を聞きながら、できるだけ叶えられるように暮らしを改善していくのですが、それはあまりに欲張りでどうにも無理だ、という事態に直面します。
新しいのも欲しいけど古いのももったいない
例えば、最近よくある例ですと、最新の掃除機に買い換えたけど、古い掃除機もまだ使えるから捨てたくない、という人がたくさんいます。さらにひどい人は3台も持っているんです。
もちろん、しまう場所があればまだいいのですが、しまう場所がなく1つの部屋を物置状態にしてしまっています。
また、こんな例もあります。冷蔵庫を新しく買い替えたけど、古い冷蔵庫もまだ使えるから予備の冷蔵庫として置いておく。こちらも都内のマンションなどではやはりどう考えてもスペースがなく部屋を1つつぶしてしまうのです。
たくさん食品をストックしたら便利、という感情と、まだ使える冷蔵庫を捨てるのはもったいない、という気持ち分からなくもないですが、どんどんと暮らしが圧迫されていきます。子ども部屋も作れず、物置状態の部屋がある、という窮屈な暮らしになってしまうのです。
服を大量に買ってしまう
着もしないのに、タグ付きで持っている服はありませんか?たくさん衣類を持っているのに、毎日着る服がないと思っていませんか?あきらかにクローゼットがパンパンになり、部屋にハンガーラックを追加して、それでも服が溢れている。服が多すぎて困るというような悩みは、はっきり言ってそれは欲張りとしか言い様がない。
自分の衣類の必要量を把握し、クローゼットの広さを理解し、自分が何を着ればうれしいのか、満たされるのか、しっかりと考えましょう。
あれもこれも叶えたい
物の数以外でも欲張りのせいで片付かない家もあります。
例えば、本来は洗面台やドレッサーなどでメイクをすればいいのだけど、リビングでTVを見ながら用意をしたいからリビングでメイクをして、メイク道具は近くに置いておきたい。夜はTVを見ながらドライヤーするからドライヤーはTVの近くに置きたい、という人が多いです。このくらいの欲張りなら何とか叶える事もできますが、徐々に着替えはリビングがいい、爪切りも耳かきもすぐに手に取りたい、などと言いながら、物がないスッキリとした暮らしにしたい、と言うのです。
これは、焼き肉、ケーキを食べて、毎日だらだら寝て、それでも痩せたいと言っているのと同じことです。
貧乏性
化粧品サンプル
化粧品サンプルをもらった時に、個包装になっているから旅行用にとっておきたいという人は多いです。ただこれも限度があります。多すぎると洗面台がパンパン、グチャグチャになっている人が多いです。さらに、いつのサンプルか分からないくらい古くなり、結局使う気がせずにお蔵入りしているのです。
またさらにそんなにサンプルを溜めているくせに、旅行にいくとこれでもかというほど全てのアメニティを持ちかえってくるのです。
牛乳パック
お客様の中には牛乳パックを溜めてる人をよく見ます。洗って開いて使い捨てまな板代わりにするとの事。そのこと自体は悪い事ではないですし、便利なアイデアです。しかしその牛乳パックを大量にためているのが問題なのです。
以前はシンク下収納全てに牛乳パックと食パンの袋がギュウギュウに詰まっている人がいました。溜めていく量の方が使用している量より多くなり、使いきれない量になっているのです。そもそもゴミだから捨てればいいの、もうもったいなくて捨てる事ができなくなっているのです。
ここで紹介した物以外もたくさんの貧乏性で捨てられない物があるのではないでしょうか?
過去に執着して未来を描けない
子どもの物は全て思い出
性格はどちらかというとキッチリしていたり、丁寧な性格の方が多いです。お子様が小さかった時の物、全てが思い出になり、捨てられないのです。
すでに小学6年生のお子様なのに、ベビー期のアンパンマンのおもちゃも捨てられないし、プラレールもトミカも捨てられない。子ども本人が捨てられないのではなく、お母さん自身が捨てられない事が多いです。ベビー時期の衣類も1枚も捨てておらず、手作りの布おむつから、布おむつを手作りしようと思って使わなかった布まで大量に残しています。
何も全ての思い出を捨てなきゃいけない、という冷たい事を言っている訳ではないのです。
思い出で溢れかえり、今の暮らしや、これからこの家で過ごしていく未来を想像していない事が問題なのです。
思い出だらけの物置部屋ではなく、子どもが自立して自由に過ごせる子ども部屋が必要なのです。
今の暮らしに必要ない思い出
前の彼氏の物、前の奥様の物、など今の暮らしに関係ない物をいつまでも持っている事は誰かを傷つける事もあるのです。写真、手紙、記念のプレゼントなど、今の暮らしに必要ない思い出は、あなたの心の中にそっとしまっておきませんか?
物にせいでたくさん傷ついた人を見てきました。それで家族関係が崩壊した人も見てきました。そこまでしてどうして過去の物に執着するのでしょうか。
過去ではなく、今と未来を大切にしてほしいのです。
性格は変える事はできない、と思いますが、自分の性格を理解した上で考え方を変えていくことはできます。
もちろん自分ではなかなかうまくいかない、という人にはしっかりとサポートさせて頂くので安心してください。客観的に何が原因でうまくいかないのか、何が多すぎるのか、どうすればうまくいくのかをアドバイスすることがきます。今まで1000件以上サポートしてきて、考え方が変わった方をたくさん見てきました。
片付けが大変と思っている人、物の量に困っている人は、様々な考え方を取りれて、今までよりもラクに暮らせるように、楽しく暮らせるようになって欲しいと思います。
「私達人間は物くらいコントロールしませんか?」
物に占領されて、物に苦労させられるなんて絶対におかしいのです。