いつでも満席! 焼鳥を頬張り、チキンカレーうどんで締める店【鳥雅/東京】
今回、冒険するのは東京・永福町の「鳥雅」。閑静な住宅街が広がり、飲み屋が充実しているとは言えない町だけど、探せばいい焼鳥屋はあるもんだ。薄暗い店内はカウンターにテーブルも。知る人ぞ知る大人の隠れ家といったところで、地元客をはじめ連日満席になる繁盛店だ。
串も肴も充実の焼鳥居酒屋
「鳥雅」は焼鳥専門店というよりは、焼鳥居酒屋だ。とはいえ焼鳥の品揃えは豊富。加えて一品料理も和洋を問わず揃っているものだから、どうにも迷う。焼鳥を思う存分楽しむなら6本、8本、10本のおまかせセットがややお得。一品もちょこちょこ摘まみたいものだから、ここは8本コースで。
コク深くやわらかなつくねは必食
さぁ、1本目は定番のささみのさび焼きだ。ふっくら、しっとり。たっぷり「ぬりっ」と付けられたわさびが食欲をそそるじゃないか。ほどなくして、つくねが運ばれてきた。噛んだ瞬間、肉汁とともに深いコクが広がっていく……。
お、こいつはうまいなぁ。軟骨のコリッとした食感のアクセントもいい。聞けば、コクの正体は鴨肉だそうな。若鶏に鴨肉、軟骨。どうりでうまいつくねに仕上がるわけだ。まだ焼鳥を食べ始めたばかりだというのに、もうつくねを追加したくなる。
食感の変化に、つい酒も進んで
むちっと肉厚なハツは開いて焼き上げ、内蔵というよりはむしろ肉のような弾力ある仕上げ。さらにジャックジャクの膝軟骨にプリッと弾けるせせりと、呑兵衛を狙い撃ちするようなラインナップがたまらない。んん。これはレモンサワー祭りの予感。
「鳥雅」の焼鳥は一皿の盛り込みではなく丁寧に1本ずつ出されるのだけれど、そのテンポはかなり早い方だ。これは「せっかちさん」には嬉しいだろうけど、料理も酒も落ち着いて味わいたいなら、予めゆっくり出してもらえるよう伝えておくのが吉。「鳥雅」はそういう柔軟性も、ちゃんと備えている。
芯までアッツアツが嬉しい
さぁ、コースの終盤を飾ったのはねぎまと手羽だ。「鳥雅」は炭火なのは間違いないとして、部位によっては鉄網で焼いているように思う。アミ(鉄網)は熱伝導率がいいものだから、もも肉の芯までアッツアツ。「ほふっ」と息を漏らす熱さ。もちろん、手羽もそう。
追加ネタに悩んだら皮は必須
気付けばあっという間の8本。この8本コースだけでも満たされる人もいるだろうけど、もう少し食べたくなるのは焼鳥好きの性というもの。せっかく焼鳥屋に来たなら外せないネタ「砂肝」と「皮」も追加だ。
とくに香ばしく焼き上げられた皮。これもたっぷりと打たれ、ケチくさくないのがいい。「カリジュワは正義」。それは昔も今も変わらないなぁ。
〆はまさかのカレーうどん?
焼鳥をしっかり食べたなら、あとは締めるのみ……なのに、困ったことに「鳥雅」の〆の料理が多すぎて悩みに悩んでしまう。TKG(卵かけごはん)にそぼろ丼、中華そば、冷麺。数ある「〆」のなかでもとりわけ目を引いたのが「チキンカレーうどん」だった。
どうにもこうにも気になって食べてみれば、思った以上にスパイシーで、それでいて後味は軽やか。いいね。これならするりするりといただける。そう、もったりとした日本のカレーというよりも本場のスパイシーカレーだ。
その日、ホールに立っているお姉さんもどうやらネパール出身のよう。これは偶然か必然か……。いずれにしても、この他国籍感は町焼鳥ならではの懐の深さ。「焼鳥食べてスパイシーカレーうどんで〆る店」。うん、最高にキャッチーじゃないか。
▼冒険のおさらい
①焼鳥は大ぶりでテンポ早め
②鴨入りのつくねが抜群にうまい
③〆はカレーうどんで決まり
店舗情報
【店名】鳥雅
【最寄り駅】永福町駅
【住所】東京都杉並区永福4-6-2
【予約】03-6265-8911
【定休日】無休
【串のアラカルト】あり
【セット】1480円〜