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資格よりも美しさとボリューム感求められる韓国の“キレイなお天気お姉さん”事情

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
チェ・ヘギョンさんも人気気象キャスターだ(写真提供:SPORTS KOREA)

明日1月29日に行われる気象予報士試験。同試験は年に2回(1月と8月)に行われ、合格率は例年5%前後という狭き門だという。ただ、テレビなどで明日の天気予報を教えてくれる日本の有名“お天気キャスター”たちは、ほとんどこの資格を有している。“セクシー気象予報士”で知られる穂川果音も資格保持者だ。

韓国にも穂川果音のようにビジュアルで有名になった“お天気お姉さん”はいる。ガールズグループDal★Shabetのビギなどがその一例だ。彼女はアイドル出身ながら、初めてお天気キャスターになった(現在はセクシー女優として活躍している)。

この一例でもわかるように、韓国ではお天気キャスターたちに資格の有無が問われない。韓国にも「気象予報技術士」という韓国産業人力公団が実施する資格試験が年に一度行われるが、応募者はかなり少ない。

韓国の資格サイト『Q-net』によると、2013年度は6人、2014年度は8人、2015年はわずか2人だった。合格率も13年度は50%、14年は12.5%、15年度は50%とさほど難関ではない。

とはいえ、職業としての人気は高い。韓国ではお天気キャスターのことを“気象キャスター”と呼ぶのだが、ケーブルテレビ局『朝鮮TV』の気象キャスター採用には、1人採用の枠に500人の応募があったと言われる。

最近は“気象キャスター”が人気男性ファッション誌のグラビアを飾り、「寒波を忘れさせる美人気象キャスター・トリオ」として話題にもなった。

(参考記事:大胆グラビアに挑戦した“韓国お天気お姉さんトリオ”とは?

では、どんな人々が“気象キャスター”に応募するのか。

ほとんどがアナウンサー志望の女子大生やアナウンサー学校出身者たちだという。つまり、アナウンサー志望の登竜門として位置づけられており、テレビ局のアナウンサー試験に落ちた者たちが次善策として“気象キャスター”になるケースもあると言われている。

昨年下半期に韓国でヒットしたドラマ『嫉妬の化身』でも、コン・ヒョジンが演じたヒロインはアナウンサー試験に落ちて仕方なく気象キャスターになった設定だった。

ラブコメディでもあった『嫉妬の化身』では韓国の気象キャスターの日常なども詳しく描かれていたが、韓国で気象キャスターとして成功するには、気象予報に関する専門知識やアナウンス力よりも、「芸能人と見比べても遜色ないルックスやボリューム感ある美ボディが必須」とも言われている。

(参考記事:気象予報がセクシーショーにも発展してしまう韓国の“お天気お姉さん”事情

事実、前出した美人気象キャスター・トリオのひとりであるイ・ジヒさんも、もとはローカル局のお天気お姉さんだった。

だが、2011年世界陸上の天気予報を伝える映像が「優れた外見とグラマラスなボディを持った美人気象キャスター」と題されてネットで話題になり、その勢いに乗って『TV朝鮮』に引き抜かれて現在に至っている。気象キャスターというよりも、気象タレントという性格が強いのである。

それどころが韓国では気象キャスターがそのままタレントになってしまうケースが多い。

“美人気象キャスターの元祖”と言われるアン・ヘギョンやキム・ヘウンは女優に転身しているし、“シースルー美人気象キャスター”としてネットを騒然とさせたパク・ウンジは、今や女優業だけではなくバラエティ番組でMCも務めるマルチタレントとして活躍している。

(参考記事:【写真】知的なのにセクシーな韓国の“お天気お姉さん”歴代トップ10!!

さらに言えば、タレントに転身したあと、有名メジャーリーガーと結婚した“お天気お姉さん”もいる。

気象キャスターとして知名度を高め、フリーとしてキャリアアップし、タレントとしても成功する。そんな姿を目の当たりにしているからこそ、韓国では“気象キャスター”志願者たちが絶えないのだろう。

韓国女性の美を競い、「2016年は特にグラマラス」という評価を得た『ミス・コリア選抜大会』本選32人の中にも、「将来の夢は気象キャスターです!!」と語る者までいたというのだから、職業としての人気ぶりは本物だ。

ただ、肝心の天気予報が当たらないようでは困るだろう。

韓国では昔から天気予報が外れるが多く、韓国気象庁の別名は「誤報庁」「“クラ(=ホラ吹き)庁”」と言われているほど。その韓国気象庁たちの発表や前述した気象予報技術士たちからの情報を視聴者たちに伝えるのが気象キャスターの仕事とはいえ、見た目の美しさよりも、天気予報の質を高める必要があるだろう。

日本の気象予報士試験は難関だが、それだけ日本の天気予報に求められているレベルが高い証拠でもあると言えるだろう。韓国でも一部の関係者たちの間でも「韓国も気象科学など専門知識を持った者が天気予報を伝えるアメリカや日本のようにすべきだ」との声があるほどなのだから。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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