【13時間乗車レポ】キングオブ夜行バス「はかた号」は意外に快適?
みなさんは最近夜行バス、乗っていますか?「はかた号」って、乗ったことありますか?
はかた号とは、東京~博多を結ぶ、走行距離1,100キロ、最大乗車時間14時間超の夜行バスです。
ひと昔まえと違い、LCC(飛行機)という手段が加わった東京〜博多間において、わざわざ安さで夜行バスを選ぶ必要性は薄くなってきているのですが、人生で一度くらいは経験してみたいと思い、福岡旅行にはかた号で行くことにしました。
今回は東京の新宿~福岡の小倉まで、13時間/15,500円の旅路をレポートします。
もはやLCCのほうが安いので、コスパのいい旅をしたい人は、マネしないほうがいいかもしれませんが……夜行バスならではの雰囲気を味わいたい人は、ぜひ一度乗車してみてください。
21:00 はかた号乗車
はかた号は「バスタ新宿」という新宿駅前のバスロータリーから発車します。
バスタ新宿はビルの4階部分にありますが、こんなに広いロータリーが4階にあるのが不思議に思えますし、ここから見える夜景は、地上から見るときとも高層階から見るときとも違った特別感があります。
定刻通り、はかた号のお出ましです。
バスは意外にも(?)満席。LCCのほうが安くて早いけど、案外まだまだ利用されているのでしょうか。老若男女いろんなお客さんがいましたが、だいたい1人で来ていました。
通常のシートもありますが、こんな個室風のプレミアムシートもあります。私は今回プレミアムじゃないけれど、いつか乗ってみたい。
そして、乗務員さんからご丁寧にひとつひとつ、何か配っているなと思えば……
お茶とアイマスクをもらいました!
正直、他の夜行バスでこんなサービスを受けたことがありません。優しそうなおじさま乗務員さんからの手渡しがあるなら、ちょっと高くてもいいかな、と思い始めます。
22:00 ちゃんと酔う
夜行バスに乗るのが久々だからか、たった1時間でちゃんと酔ってしまいました。
小倉駅まではあと12時間もあるのに……先の長さが尋常じゃないので、果てしなく絶望します。なんとか目を閉じているしかありません。
23:15 静岡サービスエリア到着
1回目の休憩です。う~ん、やっぱり下車するだけで生き返ります!
ここでは、「Chabacco」なる、ユーモア土産に出会います。
1個500円〜のお値段で、まるでたばこのような、お茶の粉末スティックを購入できます。
ユーモアグッズというだけではなく、これが本当においしい……!このあとのホテル泊で飲み切ってしまうほど、お気に入りの本格お茶スティックでした。
23:35 サービスエリアから出発
いよいよバスは就寝モード。一席ずつていねいに、乗務員さんが仕切りのカーテンを下ろしに来てくれました。
これは、プレミアムシートでなくても、ほぼ個室空間のできあがりです……!
カーテンが1枚あるだけなのに、安心感、プライバシー守られている感、秘密基地感が出ますね。
また、すぐに真っ暗の消灯ではなく、カーテン→暖色の照明→消灯となるのもうれしい配慮です。バスによっては、「これから消灯です、おやすみなさい」と言われてバツんと電気が消えるようなケースもありますので。
ただ、消灯前に「次の休憩は翌朝、山口のサービスエリアです」と告げられた時、その距離と時間にちょっとだけ絶望感を感じました。(トイレは車内備え付けなのでご安心を)
24:00 きもちわるい……
サービスエリアで休憩したのに、まだまだバス酔いが続きます。早く眠りたい……。カーテンに閉じられた半個室空間で悶々としていました。
5:30 広島県 福山サービスエリアにて停車
おはようございます!気がついたら眠っていました!ちょっと酔いがマシになっていました。寝れてよかったです。
まだ消灯中なのに目が覚めたのはたぶん、エンジンの音が静かになっていたからでしょうか。なんだか明らかにずっと停車しているなと思い、Googleマップを確認します。
Googleマップは「福山サービスエリア」を指していました。もう広島、あと少しです!
私たち乗客は降りれないけれども、おそらくこれは運転手さんの休憩か交代ではないでしょうか。さすがに14時間の運転をぶっ通しではやりませんものね。ほんとうにお疲れ様です。
7:30 電気がつく
これが本当のおはようございます!
また乗務員さんが来て、一席ずつカーテンを開けてくれました。
寝ている人がいる席は開けてないかもしれません。ホスピタリティのある接客です。
7:55 山口県 佐波川サービスエリア到着
これが2回目にして最後のサービスエリアです。
サービスエリアというよりコンビニといった方が正しいような、コンパクトな場所でした。山口土産が売られていて、ああついにここまで来たんだな、と想いを馳せます。
9:50 小倉駅到着
定刻通り到着!夜行バスは渋滞で遅延することの多い印象ですが、この日は定刻ぴったりでよかったです。
私を降ろしたはかた号は、朝の小倉を通りぬけ、博多への旅を続けるのでした。博多まで行く人、あともうプラス1〜2時間頑張ってください!!
はかた号に乗ってみて
結論、酔わない人なら全然アリ!!!
想像以上に車酔いにやられてしまったものの、酔いさえなければかなり快適でした!
特筆すべきは設備やサービスの良さです。
非常に長距離の走行であることを大前提として、3列独立シートや備え付けトイレがあるのはもちろん、お茶やアイマスクプレゼントといった、ちょっとしたサービスがたくさん垣間見れます。
休憩が2回しかないのも、最初は少なすぎでは?と思いましたが、実はぐっすり寝れるようにあえて少なくしてるのかもしれませんね。
シートもちょっと高級だからかお尻が割れる!取れる!といったことは全くありませんでした。
「キング・オブ・夜行バス」、実は高品質という意味での「キング」かもしれません。
たしかに「はかた号」はちょっと長すぎるし、なんなら他社の夜行バスより高いです。けれども快適に楽しむという意味においては、コスパのいい移動手段なのではないでしょうか。
サービスエリアでの思いがけないお土産との出会いも、夜行バスでしか味わえない体験でした。
あなたもぜひ、体力に余裕のあるときは、「バス」という手段で博多に行ってみませんか?
マニアックなスポットへの散歩や旅に興味のある方は、ぜひフォローしてくださると嬉しいです!ではまた次の旅で。