Yahoo!ニュース

ソニー、妖精、神の弓!韓国人がリオ五輪で期待する競技とアスリートとは!?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
“国民の妹”“妖精”と呼ばれる新体操のソン・ヨンジェ(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

8月5日に開幕するリオデジャネイロ五輪。開幕まであと1カ月を切ったことで、韓国でもオリンピック・ムードが高まりつつある。もともと韓国人は日本に負けず劣らない“五輪好き”。オリンピックになると、国中がひとつになって韓国の選手たちを応援する。

そんな韓国のリオデジャネイロ五輪に寄せる期待を物語る面白いデータがある。政府が出資した特殊法人・韓国放送広告振興公社が発表したアンケート調査だ。同公社が、ソウルなど首都圏に在住する1059世帯・男女合わせて4300数人を対象に、「期待している種目」「見たい選手」のアンケートを募った。

「期待している種目」で1位に輝いたのは、今回のリオで8大会連続五輪出場となる男子サッカー(53.8%)だった。韓国の男子サッカーは前回の2012年ロンドン五輪で史上初の銅メダルに輝いていることもあって、期待は大きいのだろう。チームを率いるシン・テヨン監督は最終メンバーの発表の席で「現状は60〜70点」と控えめに語ったが、予選で逆転負けたを喫した日本への雪辱を誓うなど、メダル獲得を虎視眈々と狙っているに違いない。

「見たい選手」の1位に選ばれたのも、サッカーのソン・フンミン(27.2%)だった。現在、イングランドのトッテナムに所属し、今や韓国代表の若きエースとなったソン・フンミンは、オーバーエイジ枠でメンバー入りした。

ドイツやイングランドでは「ソニー(sonny)」とも呼ばれているソン・フンミンは、その成長過程が奇抜で実は“韓国サッカーの異端児”でもある。2014年ブラジル・ワールドカップではゴールを決めたが、失意のグループリーグ敗退となっただけに、今回のリオ五輪にはチームとしても結果を残したいところだろう。

(参考記事:「漫画のような父子物語」で育った韓国サッカー期待の星、ソン・フンミン)

このソン・フンミンに次ぐ「見たい選手」として挙げられたのは、新体操のソン・ヨンジェだ(26.1%)。その愛くるしい風貌から“キム・ヨナ2世”、“国民の妹”、“妖精”など多数のニックネームが寄せられ、多数のCMにも出演する韓国屈指の美女アスリートである。白いタンクトップにデニムのショートパンツ姿の彼女を見ると、どこかのアイドルかと錯覚してしまうほどだ。

(参考記事:女王キム・ヨナとの因縁多き韓国新体操界の妖精美少女ソン・ヨンジェ)

前回の2012年ロンドン五輪では韓国人初の決勝進出を果たしたが、メダルには届かなかった。「今回のリオ五輪は悔いのない大会にしたい」と語り最後の五輪であることを示唆しているだけに、韓国の国民たちの期待も大きい。新体操は水泳とともに「期待する競技」の3位(14.6%)にも選ばれている。

この新体操を上回る「期待する競技」2位に選ばれたのがアーチェリー(33.1%)で、そのエース格とされる“弓の女神”キ・ボベは「見たい選手」の3位(14.5%)に選ばれた。

韓国は伝統的にアーチェリーが強く、1984年ロサンゼルス五輪から2012年ロンドン五輪まで19個の金メダルを獲得してきた。特に女子は圧倒的に強く、団体では1988年ソウル五輪から一度も金メダルを逃したことがない。キ・ボベは前回ロンドン五輪で団体と個人の両方で金メダルに輝いている。その強さと安定感もさることながら、凜とした表情から放つ矢の正確さから“神の弓”とも呼ばれるキ・ボベには、連覇の期待がかかっている。

(参考記事:【リオ五輪美女】韓国女子アーチェリーの最強!色白美人の “神の弓”キ・ボベ!)

サッカー、アーチェリー、新体操。ソン・フンミン、ソン・ヨンジェ、キ・ボベ。はたして韓国が注目する3大競技・3大アスリートは、国民たちの期待に見事に応えられるだろうか。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

慎武宏の最近の記事