99詐欺には、要注意!なぜ、色付きの封筒でダマすのか?年末年始、帰省時には話し合っての詐欺対策を!
若者たちの勇気ある行動が、詐欺被害を防ぎました。
「なめるなクソガキ」電話の主は豹変した 高齢者救った大学生の対応 12/27(朝日新聞)
「なめるなよクソガキ!」「こっちは暴力団とも関係があるんだ!」という言葉で脅されながらも、大学生2人はしっかりと80代のお年寄りを守りました。
相手は粗暴な言動をする特殊詐欺グループです。
「高齢者を詐欺に、はめたぞ!」と思ったところで、急にそれが難しい状況になったので「暴力団とも関係があるんだ」との脅しで、犯行を続行させようとしたのでしょう。しかし、それにひるまずに対応し続けた勇気は、本当にすばらしいとしかいいようがありません。
大学生は高齢女性の全財産を守ったことになる
今回、「NTTの関連企業」を騙り、携帯料金代として「9万9600円を振り込んでほしい」といってきたそうですが、これは高額な架空請求の被害につながる手口です。
一昨年前には、この電話をきっかけに、1億円を超える金額を振り込んだ男性の被害もあります。一度、この手口でお金を払ってしまえば、二度三度と電話がかかってきて、数千万円のお金を払わせられてしまうこともありえます。それゆえに、被害に遭わないためには、最初にお金を振り込む状況を阻止するのか大事になってきます。
その点において、大学生らは9万9600円の被害を防いだのではなく、その後に待っている被害を阻止したことになり、80代女性80全財産を守った行動ともいえるのです。
それだけに、電話口の詐欺犯の口調が荒くなったのも頷けます。
得てして、見守りの行動で、詐欺を阻止しようとすると、相手の詐欺グループは激高してきます。それは相手をビビらせて、高齢者に詐欺を続行させようとする思惑があるからです。ですので、この「断末魔の叫び(脅し)」という手法を知って、ひるまずに対応して頂ければと思います。
還付金詐欺被害に遭わないために
このところ、新型コロナが蔓延して、来年以降も、在宅時間が多くなり、高齢者者が詐欺の電話を受けやすくなる状況は続くかと思います。
特に最近はモノの値段もあがり、もしかすると「保険料金を払いすぎているので、お金が戻ってくる」という役所からの電話がかかってくれば、聞き耳をたててしまうかもしれません。
ちなみに、2022年1月~6月までの特殊詐欺の被害額は約148億8千万円で上半期の被害は約148億8000万円(警察庁発表)となっており、個別にみても「オレオレ詐欺」「架空請求詐欺」「還付金詐欺」の被害は、軒並み、昨年度より増加傾向にあります。
今回は、還付金詐欺の手口を話しますが、本当にうまく相手の心理をついてきます。しっかりとこの手口を知っておいてもらえればと思います。
なぜ、詐欺犯は色付きの封筒でダマそうとするのか?
「還付金に関する緑色の封筒を送りましたが、手続きはなさいましたか?」
市役所職員になりすました人物から電話がかかります。
これは、緑色など目立つような「色付きの封筒で送った」と話すことで、相手に『手続きした覚えがない』ことを印象付けようとする手口です。
多くの電話を受けた高齢者が「いいえ、していません」と答えるでしょう。
「支払い期限が過ぎていますが、特別に今日中であれば、手続きが可能です。ご使用の銀行はどちらになりますか?」と相手の銀行口座や個人情報を尋ねてきます。
つまり、「緑色の封筒?」と考えた時点ですでに、詐欺グループの魔の手にはまっているといえます。
ATMに向わせて、最初に行うのは残高は把握
詐欺グループは、高齢者に携帯電話を持参させてATMに誘導します。そして最初に行うのは、口座にお金が幾らあるかの把握です。それを知らなければ、送金させる金額を指示できないからです。
高齢者本人に、暗証番号を押させながら、残高を確認をします。
残高の聞き出し方には、いろんな言葉のパターンがあります。
わかりやすいところで「画面上の数字は何個ありますか?」「最初の数字4つをいって頂けますか?それが受付番号になります」などと巧みな文句で、高齢者にその金額をいわせながら、犯人らは残高を把握します。
その後に、振り込みの画面に誘導します。
このボタンは本来、相手への「振り込み」ですが、さも「本人に振り込まれる」ように話します。そして、詐欺グループが用意した犯罪口座に送金させるわけです。
99詐欺の手口で詐欺に気づくことが大事
詐欺グループは強欲ですので、相手の残高に多額のお金があれば、そのマックスの金額を送金させようとします。そこで「確認ボタン『1』を押して」「お客様番号」「受付番号」などの様々な嘘をついて、詐欺グループの意図する額になるように、被害者に数字のボタンを押させていきます。
カードによる振り込みの1日の限度額が、100万円が多いと思いますので、詐欺犯らは99万円に近い金額を打ち込むように指示しきます。
すでにこの詐欺の手口で、昨日(29日)も、80代女性が還付金詐欺の手口で、99万円をダマし取られています。
還付金名目で現金99万円だまし取られる 81歳女性、記帳して被害に気付く
(12/29 神戸新聞)
もちろん相手の残高によって、詐欺をする金額は変わってくるとは思いますが、高齢者の場合、多くの貯金の持っていることが多いと思いますので、「99」に近い数字を打たせることが多いと考えています。
ですので、画面上に「99万9千円」「99万8千円」などの数字が出てきたら、詐欺の可能性大ですので、「詐欺かもしれない」と思ってください。
最終的には、証拠隠滅のために、出てきた利用明細書を捨てるようにいいます。
これで詐欺は完了となります。
数日後、被害者が銀行で記帳すると、お金が振り込まれるどころか、逆に振り込んでしまっている結果を目にして詐欺に気づきます。
固定電話にも鍵をかける
明日にでも起こるかもしれない還付金詐欺の手口を紹介しました。この年末年始の帰省の際には、ぜひとも、こうした手口の危険が迫っていることを知って、話し合って頂ければと思います。
詐欺の電話は、ほぼ固定電話にかかってきます。
家に鍵をかけるように、振り込め詐欺対策用の電話などをつけて、不審な電話をブロックするようにして頂ければと思います。
もちろん、ナンバーディスプレイで相手の電話を確認してから、取るのもよいですが、電話が鳴ると反射的に受話器を取ってしまう方もいます。
特に高齢となり老眼となると、番号をしっかりみるためにわざわざメガネをかけてみる作業は億劫になり、番号を見ずに受話器を取ってしまうこともあるでしょう。
筆者の家も、この種の詐欺対策用の電話をつけています。
筆者から電話があると「『文明さんからの電話です』としゃべってくれる。電話番号を登録していない人からの電話は全部、留守電しているから、取らずに済むから安心」と両親がいっていました。
多額のお金を取る詐欺に遭わないには、多少のお金をかけて安心を買う。電話に鍵をかけるような防犯対策を取ることは、とても大事だと考えています。