【京都上京区】桜満開の西陣の寺がまるごと美術館に 幻想的空間の演出 長谷川等伯の襖絵も観覧できる!
上京区の大本山妙蓮寺で2022年春の特別拝観「等伯の桜と春の濃淡」が3月26日から4月30日まで開催されています。大本山妙蓮寺が所有するオリジナルの長谷川等伯の襖絵が観覧できます。(夜間の部では見ることができません)等伯の襖絵には桜が描かれていて、境内に咲く4種類の桜とリンクするような構図が見られると言います。
2022年4月2日にライトアップされている妙蓮寺を訪ねると、境内の桜は、冬から早春にかけて咲くお会式桜はもとより、早春に咲く枝垂桜、ソメイヨシノも満開で、別名薬医門と呼ばれる格式高い山門からすでに幻想的雰囲気が漂っていました。本堂や鐘楼とともに美しく照らされて素敵です。
本堂に入ると、お釈迦様の代表的な16人の弟子、十六羅漢を表すように石が16個配された枯山水庭園「十六羅漢の石庭」も美しくライトアップされていました。中央の大きな石は、牛が伏せているようにみえることから臥牛石(がぎゅうせき)と呼ばれます。
ところで、臥牛石はお釈迦様が横になった涅槃図に見えることから十六羅漢には数えないのだとか。えっ、じゃあ残りは15個しかないんだけどと不思議に思って尋ねてみると、案内してくださったまるごと美術館実行委員会の中川直幸さんが、「庭を眺める自分自身を最後の羅漢として十六羅漢を完成させるとも言われているんですよ」と教えてくださいました。
奥書院の4つの部屋にはそれぞれ春夏秋冬を描いた襖絵があります。幸野楳嶺の孫である幸野豊一が昭和に5年の歳月をかけ完成させた「四季の襖絵」です。こちらも中川さんが、絵に描かれた秘密などについてもユニークに解説していただきました。
また今回は、 KYOTO GRAPIE 京都国際写真展のサテライトイベント「KG+」に出展する3名の現代作家の作品、井津由美子「うつろい」や澄毅「時間を繋ぐ」、堀内恵「There is the hole」も同時に展示され、幻想的空間を一層神秘的に演出しています。
妙蓮寺 京都市上京区妙蓮寺前町875 3月26日(土)〜4月30日(土)10:00~16:30(入館16:00まで)ライトアップ 17:00〜20:30(入館20:00まで 金、土曜日のみ)拝観料:800円/小学生以下無料
※1枚の拝観チケットで昼とライトアップの2度入場できます。ライトアップ時は長谷川等伯は見られません。石庭、桜のライトアップを行います。