【京都市西京区】桂で57年焼肉一筋のがんこおやじのこだわり食材が美味過ぎる とろける焼肉初めて食べた
阪急桂駅の近くで地元の人に美味しい焼肉店を聞くと、「いっぺん行ってみい美味いから」と必ず名前が出てくる評判の店「焼肉かずや」を2024年11月3日に訪れました。店は、阪急桂駅の東口を出て、大阪方面に少し上がった線路沿いの2階にあります。
店内に入ると、温厚そうな店主の金谷柄吉さんと御子息のお嫁さんの理恵さんが明るい笑顔で迎えてくださいました。この日は特別にお任せメニューで出していただきました。ロースターの上にダクトが無いなと思っていたら、かずやでは、食べやすいようにと早くから、セラミックを通して煙を下から流す無煙ロースターを導入してあります。
まずは塩タン。明らかに機械ではなく手切りで少し厚めに切ってあります。やわらかいけどしっかり深みのある味で、特製の秘伝のたれと絡めた時の食感がたまりません。続いて、サーロイン、上アバラ、てっちゃんとよく出る三点セットが登場しました。
1種ずつ並べて焼いてみると、「オー綺麗な色合いで輝いている」と感激。この輝きもまた冷凍ものとは全然違う証なのだそう。そして食べてみると、これが美味過ぎる。とろけるような食感で、しかし、しっかりうま味の広がる焼肉は初めての体験でした。内臓は近江牛、精肉は熊本産の極上の肉を仕入れています。
京都の西陣生まれで、ことし75歳になるおやっさんがこの地域で父親と一緒に営業を初めて57年になります。当初は道路のアスファルト塗装もされず、阪急電車のフェンスも枕木だったころですが、焼肉専門店があふれる焼肉業界は大隆盛の時代でした。そのころから、「やっぱり和牛でないと、冷凍で入ってきた段階でドリップが出てしまうから初めからやわらかさや自然の甘さが違う」と生でも食べられるくらいの新鮮な状態の肉を買い付けています。
しかしながら、2000年代に入って直ぐの頃、狂牛病が大流行してしまい、周りで焼肉店がどんどん倒産していき、かずやでも売り上げが半分以下になった時期も。「もうあかん」と思ったりもしましたが、地元や大阪など近隣に家が離れてもわざわざ来てくださる常連さんたちのおかげで乗り越えられたのだそう。
だからこそ、そのころからの付き合いの精肉問屋さんから「これだけの品質の和牛をこの値段では安すぎるで」と言われても値上げせずに頑張っているのだとか。毎朝、近江の屠場から仕入れる問屋で、今では窓口となっている人たちも、赤ちゃんの頃から可愛がってきた子たちのため、「おっちゃんとこにはええ加減なもんだせるかいな」と普通の人が買い付けに来ても売らないような極上品を提供してもらえる結びつきがあるといいます。
どうりで地元の人たちがこぞって美味いというのも納得です。すじ煮込みや時にはカレー、一からじっくり出汁を取る〆のラーメンもおやっさんらしいこだわりの美味しい逸品が揃っています。
裏メニューもあるようですので、常連さんになると新しい発見があるかもですね。桂周辺に来たら立ち寄られてみてはいかがですか!
「焼肉かずや」(外部リンク)京都市西京区川島北裏町80−8 075-391-2744