【京都市右京区】映画の街のローカル電鉄駅構内直結のうどん・そばの店で本格的な熟成自家製麺を堪能できた
京都を代表するローカル電鉄の嵐電に乗って嵐山に向かうと途中の駅名が気になります。蚕ノ社は「かいこのやしろ」、帷子ノ辻は「かたびらのつじ」、車折神社は「くるまざきじんじゃ」と読みますね。そして2024年11月5日に降り立ったのは、「太秦広隆寺」。これで、「うずまさこうりゅうじ」と読みます。
太秦とは、諸説ありますが、かつて新羅から渡って来たとされる秦氏の一族の族長の呼び名だともいわれています。秦氏の一族のものではないかといわれる古墳なども点在し、国宝彫刻第一号の「弥勒菩薩」で知られる広隆寺など歴史ロマンあふれる神秘的な地域です。近くには、東映や松竹の撮影所や映画村などもあって、映画の街としても知られます。
小腹が空いたので、駅に直結しているうどん・そば屋さん「京富」に入ってみることに。正直、駅そばで軽く腹がみたせればといった気持ちだったのですが、これがまた、本格的な自家製麺に出会うことができて驚きでした。店内に入ると、名取裕子さん始め、俳優さんたちのサイン色紙がずらりと並んでいます。さすが映画の街。
栗ご飯と京湯葉そば、天ぷら秋のおすすめセットを注文しました。他にもメニューには、にしん蕎麦、鴨せいろ蕎麦、海老天カレーうどん・そば、かすと九条ねぎ刻みうどん、牛肉と九条ねぎのピリ辛つけ麺、栗ぜんざいや白玉ぜんざいなどもあり、多彩です。
まず出汁からして上品でコクがあって美味しい。店主の富樫英夫さんに伺うと、上質な昆布の旨味をじっくり引き出し、鰹節の他4種類の節から絞り出した京風出汁だそうです。湯葉と山菜や水菜もたっぷり、ありました、これこれ、紅葉の麩がちゃんと入ってます。蕎麦は創業明治元年、京の蕎麦司「田毎」から仕入れています。駅そばでまさかこんなに美味しいそばがいただけるとは嬉しい限りです。
またほこほこの栗が入ったご飯が蕎麦と相性ピッタリで美味。富樫さんは祇園のうどん屋さんで修業の後、縁あって夫婦で二人三脚、地元広沢にほど近いこの地で、14年に亘って営業を続けてきました。季節に応じて、メニューも工夫されていて、春には旬のタケノコごはんや12月からはかに御飯なども始まります。ルーから作るスパイシーなカレーうどんも大人気です。
そしてうどんがまた絶品。こちらのうどんは、水を50%加えた高加水の生地に、二段熟成した後に無理な負担を与えることなく麺線にしたものだそうで、ソフトな口当たりにも関わらずコクがある本当に美味しいうどんなんです。
嵐山方面へ行かれる方も嵐電沿線でちょっと寄り道されてみるのも一興ではないですか!
京富(外部リンク)京都市右京区太秦組石町3-33 075-865-2230