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成人は男性6465歩、女性5820歩…一日の平均歩数の実情をさぐる(2024年発表版)

不破雷蔵グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  
毎日の定期的なウォーキングも健康増進のためにはよい習慣(写真:アフロ)

健康維持の手段として積極的に歩行をする人は増え、歩数計のスマートフォン用アプリも多数登場している。実情として人々はどれほど歩いているのだろうか。厚生労働省から2024年8月に発表された定期調査「国民健康・栄養調査」(※)の最新版となる2022年分における概要報告書から、その実情を確認する。

一般に徒歩で行けると回答者自身で認識している距離は、歳を重ねるに連れて減少する。また健康の指針の一つ「健康日本21(第三次)」では、成人男性8000歩・女性8000歩以上を一日の目安としている(【健康日本21(第三次)】)。さらに世間一般では区切りのよい「1日1万歩」を目標に歩くよう指示される場合も多い。

今回の調査結果では、一日平均の歩数は男性6465歩・女性5820歩となり、女性より男性の方が高い値が出ている。これは平均値だけでなく、各年齢階層別に見ても同様の結果が確認できる。

↑ 歩数平均値(男女別・年齢階層別、歩/日)(2022年)
↑ 歩数平均値(男女別・年齢階層別、歩/日)(2022年)

体力の減退などの理由から、歳を重ねるに連れて歩数が減っていくのは仕方のない話ではある。しかし実情としては20~50代までは大きな違いはなく、60代ではじめて大きく減る動きを示しているのは興味深い。生活習慣の変化や身体的な衰えは60代から生じてくるのだろうか。現役世代では仕事で歩く機会が多く、退職するとその機会が無くなるのも影響しているのかもしれない。

ちなみに報告書では過去の値も合わせて掲載されており、以前のものも含めてグラフ化したのが次の図。2012年分以降では100歩未満、5万歩以上の回答値は除外して平均値を算出している。また2020年と2021年は新型コロナウイルスの流行で調査そのものが中止されているため、横軸の並びに注意する必要がある。

↑ 歩数平均値(男女別、歩/日)
↑ 歩数平均値(男女別、歩/日)

起伏を繰り返しながら、中期的には漸減する動きを見せている。2003年から2022年の間に平均値は男性で1100歩ほど、女性では900歩ほど減っているが、これは交通網の発達に加え、全体に占める高齢者=歩数が少ない人の増加が要因として挙げられる。

この「高齢者の調査対象母集団比率増加に伴う、有意な平均値の減少」を鑑み、2014年調査分からは「国民健康・栄養調査結果」の年次推移公開値のいくつかにおいて、年齢調整が行われたものも併記される形となった。これは国勢調査結果における人口構成比を基準として、各年の値で補正を行ったもので、年齢階層別人口構成比の変化によるぶれを補正することができる(公開されているのは2004年以降の分のみ)。

↑ 歩数平均値(年齢調整後、男女別、歩/日)
↑ 歩数平均値(年齢調整後、男女別、歩/日)

男性は2004年から2008年にかけてやや減る動きがあったが、それ以降はほぼ横ばいだが、2016年以降は漸減とも読める動き。女性はほぼ横ばいで推移しているように見えるが、男性同様2016年以降は漸減に読めなくもない。結果、年齢調整をした上でも歩数は減りはじめているのではとの推測ができる結果となる。

怪我や出産、高齢によるケガのリスクを考えた上での自制は別にしても、若さがありあまる年齢のうちは、積極的に歩くよう心がけたい。それだけでも十分な運動になり、体を鍛えることにもつながるのだから。

昨今では数百円で歩数計を手に入れることもできる。携帯電話には歩数計機能を持つものもある。最近では「Ingress(イングレス)」や「Pokémon GO」のように外歩きを促進させるデジタル世代の遊びも提唱されている。自分の歩数実態を把握し、「歩くこと」を健康管理の一環としてみてはいかがだろうか。

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※国民健康・栄養調査

健康増進法に基づき、国民の身体の状況、栄養素など摂取量および生活習慣の状況を明らかにし、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基礎資料を得ることを目的とするもの。調査時期は2022年11~12月中。今回調査分では調査実施世帯数は2910世帯で、調査方法は調査票方式。

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(注)グラフ中の「ppt」とは%ポイントを意味します。

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(注)今記事は【ガベージニュース】に掲載した記事に一部加筆・変更をしたものです。

グラフ化・さぐる ジャーナブロガー 検証・解説者/FP  

ニュースサイト「ガベージニュース」管理人。3級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)。経済・社会情勢分野を中心に、官公庁発表情報をはじめ多彩な情報を多視点から俯瞰、グラフ化、さらには複数要件を組み合わせ・照らし合わせ、社会の鼓動を聴ける解説を行っています。過去の経歴を元に、軍事や歴史、携帯電話を中心としたデジタル系にも領域を広げることもあります。

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