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北朝鮮のミサイル発射地点は中朝国境付近!過去に2度弾道ミサイルが発射され、そのうちの1発はICBM級

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
北朝鮮の短距離弾道ミサイル(労働新聞から)

 日本の防衛省の発表よりも13分早い6時45分に北朝鮮のミサイル発射を伝えた韓国の合同参謀本部は8時7分にはミサイルが「北朝鮮の内陸」から発射されたことを公表したが、2時間後の10時7分には発射場所が中国と国境を接している慈江道・舞坪里(ムピョンリ)であることを特定し、発表した。

 日本は菅義偉首相が北朝鮮のミサイルが弾道ミサイルの可能性であることを示唆したが、韓国はまだ弾道ミサイルとは規定していない。弾道ミサイルならば、国連安保理決議違反ということになる。

 慈江道からは過去に2度ミサイルが発射されているが、いずれも弾道ミサイルであった。

 1度目は龍林(ヨンリム)からで2014年9月1日午前10時半に弾道ミサイル1発が発射されている。ミサイルは220km飛行し、日本海に落下していた。中朝国境から60キロの距離にある龍林にはスカッドミサイルの発射基地が地下に建設されている。

 2度目は今回と同じ舞坪里からで2017年7月28日、「火星14号」と称されるICBM級の新型弾道ミサイルが深夜に発射されている。発射された日は北朝鮮にとっては戦勝記念日である朝鮮戦争休戦日(7月27日)の翌日であった。

 二段式の「火星14号」はロフテッド軌道(高度3724km)で発射され、約47分飛行し、日本のEEZ内に着弾している。飛翔距離は約1000kmと推定されていた。

 「火星14号」は約3週間前の7月4日にも発射されていたが、前回に比べ、高度で約900km、水平距離で100km延び、飛行時間も8分長く飛んでいた。

 「火星14号」の1回目が平安北道・亀城(クソン)から発射されていたことや当時、偵察衛星などで亀城へのミサイル運搬や金正恩委員長をはじめ幹部らの車列が確認されたと報道されていたことから7月28日も亀城から発射されるものと米韓当局は警戒していたが、発射場所は想定外の舞坪里であった。発射地点の事前予測を誤ったのである。

 米韓当局はこの年、潜水艦発射弾道ミサイル「北極星―1」を地上発射型に改良し、5月21日に発射された「北極星―2」の発射地点も当初は「平安南道の北倉(プッチャン)」付近から発射されたと発表したが、実際には16km離れた平安南道・安州(アンジュ)からの発射であった。

(参考資料:短距離からICBM、巡航ミサイルまで北朝鮮のミサイル発射場は全国33か所に散在)

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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