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日本人投手の「通算1000勝」まで29勝。800勝目は田中将大、900勝目はダルビッシュ有

宇根夏樹ベースボール・ライター
髙橋尚成 MAY 26, 2010(写真:ロイター/アフロ)

 日本人投手がメジャーリーグで挙げた白星は、971を数える。これは、村上雅則から澤村拓一(ボストン・レッドソックス)まで、40人の合計だ。他に、0勝の投手も何人かいる。また、それぞれ1登板のイチロー青木宣親(現・東京ヤクルト・スワローズ)には、勝敗、セーブ、ホールドのいずれもついていない。

 通算勝利のトップ5は、123勝の野茂英雄、各79勝の黒田博樹ダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)、78勝の田中将大(現・東北楽天ゴールデンイーグルス)、63勝の岩隈久志だ。彼らを含め、21人が10勝以上を挙げている。

 日本人投手の100勝目は、今から23年前に吉井理人が記録した。200勝目は長谷川滋利、300勝目は野茂、400勝目は松坂大輔、500勝目は髙橋尚成(写真)、600勝目は黒田、700勝目はダルビッシュ、800勝目は田中、900勝目はダルビッシュだ。

筆者作成
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 100区切りのマイルストーンのうち、直近の3つは、到達したのと同じ日に、別の日本人投手も白星を挙げている。どちらがマイルストーンの白星なのかは、試合が終わった時刻――開始時刻と試合時間の長さ――から判断した。

 2014年7月28日は、和田毅(当時シカゴ・カブス/現・福岡ソフトバンク・ホークス)の白星が日本人投手の699勝目、ダルビッシュ(当時テキサス・レンジャーズ)は700勝目。2016年9月21日は、田中(当時ニューヨーク・ヤンキース)が800勝目、前田健太(当時ロサンゼルス・ドジャース/現ミネソタ・ツインズ)は801勝目。2019年8月4日は、ダルビッシュ(当時カブス)が900勝目、平野佳寿(当時アリゾナ・ダイヤモンドバックス/現・オリックス・バファローズ)が901勝目だ。

 また、松坂が日本人投手の400勝目を挙げた試合は、チームメイトの岡島秀樹も登板し、1イニングを無失点に封じてホールドを記録している。髙橋の500勝目も、五十嵐亮太が投げ、ホールドはつかなかったものの、こちらも1イニングを無失点で終わらせた。

 日本人投手の通算1000勝までは、あと29勝だ。昨年は6人で計37勝。内訳は、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)が9勝、ダルビッシュが8勝、菊池雄星が7勝、前田が6勝、澤村が5勝、有原航平(レンジャーズ)は2勝だった。トミー・ジョン手術を受けた前田が全休しても、現時点でFAの菊池がメジャーリーグの球団と契約すれば、今年、5人で計29勝以上は十分あり得る。これまでのシーズン最多は、2014年だ。15勝の岩隈を筆頭に、4人が二桁勝利。他の4人と合わせ、計66勝を挙げた。

 ちなみに、日本人投手の950勝目は、昨年6月4日に大谷が記録している。

 日本人選手の通算本塁打については、こちらに書いた。

「日本人選手700本目の本塁打は誰が打つ!? 500本目はイチロー、600本目は大谷翔平」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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