アフリカ南部モザンビーク、サイクロン10年ぶりに上陸
追記(2月18日):サイクロン・ディネオの上陸により、モザンビークでは7名が死亡、13万人が家を失ったもよう。
サイクロン・ディネオ(Dineo)が日本時間16日(木)朝、アフリカ南東部のモザンビークに上陸しました。イギリス気象庁によると、モザンビークがサイクロンの直撃にあうのは、10年ぶりとのことです。
サイクロン・ディネオ
ディネオは、今年インド洋南部に発生した5個目のストームで、日本時間16日(木)にモザンビーク南部に上陸しました。上陸寺のカテゴリーは「トロピカル・サイクロン」で、これは「強い台風」に相当する勢力です。同国では2007年にも、サイクロン・ファビオ(Favio)の直撃により、甚大な被害が発生しています。
なお「ディネオ」とは、ボツワナ気象局が名付けた女性の名前です。
ディネオによる予想降水量は多いところ400ミリにも達し、これは年間降水量の3分の1に匹敵します。去年までの記録的な干ばつで、土地が乾ききっており吸水しにくくなっているため、洪水のリスクが高くなっています。
今後の進路
サイクロンは、上陸の数時間後に温帯低気圧に変わりましたが、これからアフリカ大陸を横断する見込みで、ジンバブエやボツワナなどにも被害が出る恐れがあります。
モザンビークとは…
なかなか馴染みのない国のようですが、日本は石炭やたばこ、食糧ではゴマやエビなどを輸入しています。
近年著しい経済成長を遂げているものの、それでも世界の最貧国の一つで、国民の70%が貧困層とも言われています。 さらにこのところの極端な天候も経済に暗い影を落としており、2015-2016年のエルニーニョによる大干ばつでは、140万人が食糧難に陥りました。今は干ばつこそ終わったものの、主食であるとうもろこしの収穫のピークを迎えており、今回のサイクロン直撃を受けて、さらなる被害が心配されます。