ステーキの上にヤサイ・ニンニクマシマシ! 居酒屋のランチタイムを救う“二郎系ステーキ”
「ラーメン二郎」。
港区三田に本店を構える黄色い看板が目印のラーメン店で、濃厚な豚骨醤油スープに極太の麺、その上に盛られる野菜の山に大きな豚肉が特徴の激盛りラーメンの代名詞的な存在である。近年では「ラーメン二郎」に影響を受けた「二郎インスパイア系」が各地にオープンし、ブーム化している。
昨年ごろから、新型コロナウイルスの外出自粛の影響もあり、二郎系カップ麺やチルド麺が相次いで発売され、コンビニに黄色いパッケージが多数並ぶ二郎系戦争が起こっている。
なんとこの二郎系ブームは今やラーメン界を飛び出している。
居酒屋のランチタイム限定で、“ステーキ×二郎系”という業態が登場したのだ。
その名も「ステーキ五郎」。
株式会社ダイヤモンドダイニングという外食系企業が運営しているのだが、現在居酒屋やバルの昼帯を活用し、5店舗を展開している。
ミディアムレアのUSミスジステーキの上に大量のモヤシとキャベツが盛られ、お好みでニンニク、牛すじ、バターを乗せられる。ライスはなんと食べ放題だ。
ステーキはシングル(150g)、ダブル(300g)、1ポンド(450g)から選べる。
鉄板の上には醤油の濃い目のスープがひたひたに敷かれ、肉と野菜を浸しながら食べる。これが新感覚で旨いのだ。
最後にライスを鉄板に入れ、スープガーリックライスで締める。
「ヤサイマシマシ」こそが二郎系の定義
今まで広がってきた二郎系は、「ラーメン二郎」を模したラーメン店のことを指していたが、「ステーキ五郎」は新たな二郎系のヒントを示してくれている。はじめに二郎のことを「激盛りラーメンの代名詞的存在」と書いたが、「ステーキ五郎」は二郎系の定義をそう捉えていないのだ。
「ステーキ五郎」はまずラーメンではなく、濃厚豚骨醤油でもない。
「ヤサイマシマシ」の見た目こそが二郎系だと捉えて、それをステーキに応用しているのが面白いところなのである。
トレンドのど真ん中から少しずらすことでオンリーワンを作り上げる。ステーキであれば他の二郎系ラーメン店と食い合うことはないだろう。しかも、居酒屋で苦戦しているランチタイムを利用して提供するという戦略も巧みだ。
今後、野菜をドカ盛りにして、ニンニクをトッピングして食べる、ラーメンを飛び出した二郎系が増えていくかもしれない。
※写真はすべて筆者による撮影