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「可愛いからこそゴルフだ」路線も…女性たちを狙う韓国“ゴルフウェア”のトレンドとは?

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
(写真提供=KLPGA)アン・シネのゴルフウェアは今も昔も毎回話題に

日本では“ゴルフ離れ”が進んでいるという。つい先日も『茨城新聞』がゴルフ場跡地を転用した大規模太陽光発電施設が増えているなどと報じていた。

日本生産性本部の「レジャー白書2017」によると、ゴルフコースで年1回以上プレーしたことのある2016年の参加人口は550万人。前年よりも28%も減少しており、数字上でもゴルフ人口が減っていることがわかる。

日本と対照的なゴルフ人口の推移を見せているのが、お隣・韓国だ。

韓国女子ゴルファーが世界で活躍。次世代スターも

韓国メディア『ヘラルド経済』によれば、「(韓国)国内のゴルフ人口は2016年82万人から、昨年496万人へと急激に増加」しているという。

その背景には、アメリカや日本で活躍している韓国女子ゴルファーたちの活躍もあるだろう。

最近は海外やKLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)の1部ツアーだけでなく、ドリームツアーと呼ばれる2部ツアーも盛り上がっているようで、“次世代セクシークイーン”とされるユ・ヒョンジュなどスター選手が次々と誕生している。

(参考記事:写真30連発!! “次世代セクシーゴルファー”ユ・ヒョンジュは、アン・シネを超えられるか

その影響を受けて競争が激化しているのは、韓国のゴルフウェア業界だ。

ターゲットは20~30代女性!?

韓国ゴルフウェア市場は2011年2兆ウォン(約2000億円)から2017年4兆ウォン(約4000億円)台へと成長しており、「多数の業界関係者が今年は5兆ウォン(約5000億円)を超える」(『毎日日報』)と予想しているとか。

今現在を「ゴルフウェア全盛期」と表現する韓国メディアもあり、とある業界関係者は「ゴルフを楽しむ人が増加するに従って、ゴルフウェアがファッション業界の成長動力になっている」と認めているほどだ。

興味深いのは、男性ゴルファーをターゲットにした商品ではなく、20~30代女性に向けたゴルフウェアが多いという点だ。

韓国ゴルフウェアメーカーのホームページを見れば、一目で女性向け商品が多いことを実感できるほど。

(参考記事:【画像】「美女×ゴルフウェア」の破壊力がヤバイ。韓国ゴルフウェア広告が夢のようなかわいさ

「“ゴルフウェア=おじさんファッション”は昔のこと…フィールドの主人公は“20~30代の女性”」(『マネートゥデイ』)という記事では、ゴルフウェア業界がターゲットを40~50代男性から20~30代女性へと移行させた理由について、2つの要因を挙げている。

ズバリ、ゴルフの大衆化と、“アスレジャー”人気だ。

“マッスル美女”が火をつけたアスレジャー人気

まず「大衆化」は、これまでは高所得層が楽しむイメージのあったゴルフが、一般的な人も楽しめるスポーツであることが認知された結果だろう。コースゴルフだけでなく、韓国ではスクリーンゴルフも人気が上昇しており、ゴルフがより身近になっている。

次に“アスレジャー”とは、「アスレチック(運動)」と「レジャー(余暇)」を組み合わせた造語で、スポーティーな要素を取り入れたウェアを普段着としても着こなすファッションスタイルのこと。アメリカで火がつき、韓国でも流行のひとつになっている。

その火付け役となったのは、韓国のマッスル美女たち。

例えば、“上位1%の神ボディ”と呼ばれるイェ・ジョンファはナイキのカジュアルウェアを好んで着用しているし、“脱アジア級のボディ”レイヤンはアディダスのタンクトップ&レギンス姿で日々のトレーニング風景をSNSなどで公開している。

女性ファンも多い彼女たちによって、アスレジャー市場は急成長中だ。

韓国ファッション産業研究院によると、2010年の韓国アスレジャー市場はわずか5000億ウォン(約500億円)に過ぎなかったが、2016年度は1兆5000億ウォン(約1500億円)に膨れ上がっているらしい。

イ・ボミなど人気女子ゴルファーも参加

ゴルフ人口が増え、さらにファッションに関心が高い女性たちがゴルフウェアに目を向けるのも当然かもしれない。

韓国の人気女子ゴルファーたちも、ゴルフウェア製作に参加したりもしている。日本でも人気のイ・ボミは以前、ルコックスポルティフとともに「イ・ボミコレクション」を発売したこともあった。

(参考記事:【画像&動画】艶っぽさまで!? 「イ・ボミコレクション」を本人が着るとここまで似合う!!

同じく、キム・ハヌルによる「キム・ハヌルコレクション」もあり、こちらは彼女が好きなハートのモチーフをはじめ、ハヌル(韓国語で空という意味)を連想させるスカイブルーを使っている。

女性向けゴルフウェアの需要が高まっていることで、メーカーも機能的なだけでなく、見た目も可愛らしいゴルフウェアを次々と発表している。

「CASTELBAJAC」というメーカーに至っては、“可愛いからこそゴルフだ”というコンセプトで個性的な商品を発表しているほどだ。

いずれにしてもゴルフ人気にともなって、競争が激化している韓国のゴルフウェア業界。このまま日本と対照的な右肩上がりの成長を続けるのか、注目してみたい。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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