父のツイートで、息子が元チームメイトに謝罪
7月30日、ニューヨーク・ヤンキースはミネソタ・ツインズからランス・リンを獲得し、交換にタイラー・オースティンとルイス・リホを放出した。ヤンキースのAAAからツインズのAAAへ移ったオースティンは、8月10日に昇格し、翌日の試合でホームランを打った。
オースティンはメジャーリーグ3年目、26歳の一塁手だ。開幕戦はヤンキースのスターティング・ラインナップに名を連ね、その後はニール・ウォーカーと一塁の座を分け合っていたが、5月下旬にグレッグ・バードが復帰してからは出番が減り、6月半ばにAAAへ送られた。
新天地のツインズで、オースティンは好スタートを切った。だが、父のクリスは「過去」に目を向けた。8月11日にホームランを放った直後には「タイラーはシーズン18本塁打なのにバードかよ」とツイートし、息子が17日と18日にもホームランを打つと、今度は「タイラーがツインズで1週間に打ったヒットは、バードがヤンキースで1ヵ月間に記録した本数より多い」と書き込んだ。
確かに、バードは活躍しているとは言い難い。オースティンがトレードされた時点では、打率.237(173打数41安打)、出塁率.332、9本塁打だった。けれども、オースティンが18本塁打というのは、嘘ではないものの「盛って」いる。そのうちの9本は、AAAで打ったものだ。1週間と1ヵ月の比較にしても、どの期間なのかは定かでないが、8月12日~18日と7月19日~8月18日であれば、オースティンは6安打、バードは19安打だ。ヒット(Hits)と書いているが、8月11日~18日の3本塁打と7月19日~8月18日の2本塁打を比べているのだろうか。メジャーリーグの試合に限ると、移籍前のオースティンは、打率.223(121打数27安打)、出塁率.280、8本塁打。ホームランのペースこそバードを上回るが、こちらも好成績とは程遠い。
スター・トリビューンのフィル・ミラーによると、息子は人に教えられるまで父のツイートについて知らず、バードに連絡して謝るつもりだという。
ツインズの一塁にはジョー・マウアーがいるため、オースティンは主にDHとして出場しているが、マウアーの10年契約は今シーズン限りだ。本来ならDHを務めるローガン・モリソン(8月に腰の手術を受けてシーズン終了)も、オフにFAとなる。オースティンは移籍後の9試合で、打率.333(30打数10安打)、出塁率.382、3本塁打を記録した。このまま打ち続ければ――獲得したツインズの思惑どおり――来シーズンのレギュラーが見えてくる。