2023年、フードライターの食で読み解く「外食」に何が起きていたか【10~12月】
【10月】所得減税念頭に税収還元=首相所信表明(23日)
今年は日本経済にとっては激動の一年でした。海外の米ドルやユーロといった通貨に円は押されっぱなし。海外に行くこともままならず、輸入品は値上がりの一途をたどり、秋口頃から飲食店の仕入れは非常に厳しくなっていました。
それと同時に、秋に入ると春先からの解禁ムードも一段落。夏過ぎまで賑わっていた飲食店も、10月以降は厳しい数字にとどまる店舗が続出します。コロナ禍で醸成された家飲みへの回帰現象も相まって、秋口に落ち込んだ客が年末になっても帰ってこないと嘆く店主もおられました。
この時期はメニューの改変などのご相談を受けることもありましたが、個人的には前月に引き続き、しばらく伺えていない店と新しいお店と家飲みが混在する月でした。
初めての店はあの旬香亭の斉藤元志郎シェフの揚げ物専門店「Fry家」(高田馬場)、サカエヤの肉も扱う「ブルスタ」(浜町)、「ハシノクチ」(蛎殻町)、西麻布の高級焼肉店「うし松」の鳥料理業態「とり松」、そして「台南茶寮」(茅場町)など。ハシノクチの料理の引き出しに舌を巻き、「とり松」が生食用の鳥肉を鹿児島から取り寄せているという話には驚かされました。
お久しぶりの店としては、手放しでおいしいイタリア料理の「コジコメ」(三軒茶屋)、実直な仕事の「鮨 みずかみ」(半蔵門)、うどんスナック「松ト麦」(駒沢)、みんなだいすき「喜福世」(恵比寿)、豊島市場の胃袋「ナニコレ食堂」(庚申塚)、世界最高の生ビール「ヨッシーズ」、女人ちょっとだけ禁制「ニューカヤバ」(ともに茅場町)、そして35年通い続けている「ホープ軒」は千駄ヶ谷と野方、両方に伺いました。
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