旧統一教会の被害者救済法が成立 何が良くて、どこに問題があるのか?何が足りないのか #専門家のまとめ
12月13日、自・公・国民民主の提出した、旧統一教会の高額献金、霊感商法などによる被害者を救済するための特例法が成立しました。
被害者を救済するための大事な内容もありますが、被害者や長年、旧統一教会の問題を扱ってきた弁護士からは、実効性が乏しいとの指摘も出ています。
一方で、立憲・維新から提出された包括的財産保全法案は衆議院で否決されました。
与党の特例法の何が良くて、どこに問題があるのでしょうか。
▼法テラスの相談窓口の充実を図ることで、旧統一教会の被害者が民事訴訟をしやすくする支援体制を強化、財産の監視態勢を強めている。
旧統一教会の被害者救済法が成立、教団財産の監視を強化(日本経済新聞)
▼被害者らが個別に民事保全の裁判を起こさなければならず、教団の資産を押さえることにつながらない。被害者の多くが法律上の不備を指摘している。
▼野党からは「自己責任なんですか?」の厳しい指摘も。解散命令が出された後の残余財産の扱いにおける問題も浮上してきている。
旧統一教会の救済法が成立も、実効性への課題は山積み 新たな救済への懸念も法案質疑で明らかになる(Yahoo!ニュース エキスパート 多田文明)
▼交渉に初めて在韓の元信者の女性が参加。会見で、海外にいる信者たちの救済や相談体制の難しさや、特例法が不十分な点が明らかになる。
海外信者らの救いはどうするのか 法テラス支援に大きな課題も 第6次集団交渉の通知書を旧統一教会に発送(Yahoo!ニュース エキスパート 多田文明)
先日、成立した旧統一教会の救済特例法では、車の両輪であるはずの野党案の財産保全が抜けてしまっているために、救われる人が限られてしまっている状況です。
同法の附則には「具体的に検討すべき課題が生じた場合においては、3年を待たずに信教の自由に十分配慮しつつ、解散命令の請求等に係る対象宗教法人に関する財産保全の在り方を含め検討を行う」が入りました。
まず一人でも多くの被害者の体験や懸念、そして被害救済に携わってきた弁護士らの意見を聞いて、被害の現状を把握して、来年以降も、国会において、より多くの国内外の被害者をしっかりと救済をするための議論が求められています。