今年は辰年 中国で「龍を3つ書いて1文字」何と読む?
今年は辰年。中国も辰年です。中国のお正月は旧正月、春節(今年は2月10日)ですが、最近では海外に住む家族や友人に会わせて、新暦でも祝う人がかなり増えました。
そんな中国では、その年の干支に合わせて、新年におめでたい言葉を添えて挨拶をする人が多いのですが、今年は、1つの文字の中に「龍」が3つある珍しい文字を使って挨拶している人を見つけました。どういう意味でしょうか。
龍が行くさま
中国のウェブサイトによると、中国語の読み方は「da(ダー)」(2声)。中国の昔の字典「玉篇」によると、意味は「龍の行くさま」。部首は「龍」で、画数は全部で48画となっています。「龍行」という2文字の後ろに、この文字を2つ続けた四字熟語は「龍が舞い上がっているさま」という縁起がいい言葉になるそうです。
見慣れない難解な漢字ですが、中国語のキーボードで「da」と打つと出てきました。このように、中国では1つの文字を3つ一緒にした文字(三畳字)は、その1つの文字の意味をより強調する意味合いがあります。
たとえば、「森」は「木」が3つで1つの文字となり、木が密集しているさまを表しますが、ほかに、「金」が3つの文字は「xin(シン)」と読み、「栄える」などの意味で、商店の屋号や人名などに使われます。「石」が3つ、「火」が3つ、「水」が3つなどの文字も中国語ではよく見かけます。
春節番組のテーマに
こうした中国語の単語はほかにもたくさんありますが、今年、前述の四字熟語は春節の際、中央中央テレビで放送されるお正月の特別番組『2024春節連歓晩会』(春晩)のテーマとなりました。日本の2023年のNHK紅白歌合戦では『ボーダレス』がテーマでしたが、中国ではこの熟語になったそうです。そこで、このおめでたい言葉を新年の挨拶に使う人も増えているそうです。
辰年を迎え、龍やドラゴンなどが話題になっているせいか、数日前、中国のSNSでは「可愛龍」(かわいい龍)という名前のある男性の大学教授が話題になり、「萌える名前だ」「本名なの?」などと話題になりました。「可」が姓で「愛龍」が名前ですが、一度聞いたら忘れられないお名前ですね。
日本でも龍にまつわる神社やお寺などパワースポットが人気ですが、中国にも龍と関係が深い観光スポット(たとえば、三大九龍壁など)がたくさんありますので、今年は多くの人がこうした観光名所を訪れることでしょう。
ちなみに、中国では「辰年は龍が暴れ回る」といわれているそうです。12月31日、習近平国家主席は新年に向けて恒例のテレビ演説を行い、2024年に中国建国75周年を迎えるにあたって、「祖国統一は歴史の必然である」と台湾統一への意思を強調しました。まもなく台湾では総統選挙が行われます。民進党と国民党の一騎打ちとなりそうですが、中国の出方も注目されます。今年は一体、どんな年になるのでしょうか。