【河内長野市】未来のピカソがいるかも!「かわちながのキッズアート展」3年ぶりにキックスで開催します。
まだ完全ではありませんが、この2・3年もの間、世界中の人々を苦しめたコロナ禍がいよいよ落ち着きつつあり、3年ぶりに復活するイベントが数多くありますね。かわちながのキッズアート展もその中のひとつです。
キッズアート展は土日の2日間で1000名を超える来場者があったほどの人気イベント。2年間休んでいましたが、今年は3年ぶりの開催となります。
以前からとても気になっていたイベントなので、さっそく主催者団体のメンバーである東中学校の内本校長とコンタクトを取りました。
内本校長とネット上で交渉した結果、展覧会が始まる前日の昨日、設営が終わった会場、キックスこと河内長野市立市民交流センターのイベントホールで展覧会の様子をひと足早く拝見、お話も伺うことになりました。
ここでキッズアート展について簡単におさらいすると、河内長野の学校園(市内幼稚園、市立小・中学校)に在籍する3才から15才までの子どもたちのアート作品を展示するというもの。ピュアな心を持つ子どもならではの豊かな感性や発想を持つ作品が毎年見られていました。
ということで昨日、まだ準備中だった会場(キックス4F:イベントホール)にお邪魔しました。
お話をお伺いする前に実際に展示されている絵を見ていくことにしました。作品は年齢ごとに見られるようになっていて、3歳児からスタートして最後は中学3年生の作品になります。
まずは3歳児の作品です。見ると3歳児とは思えないほどアートのセンスのようなものを感じました。
例えばこちらの絵、段ボールで単一の色を使った絵ですが、人の顔に見えながら見ようによっては蟹のような動物のようにも見えるだまし絵のような作品です。
まさか3歳児がそんなことを意図した訳はないでしょうけれど、感性で描いた結果なのでしょう。
こちらも不思議です。現代アート的な雰囲気を感じました。逆に言えば現代アートのアーティストの感性の奥底には、3歳児のピュアなものを持っているから、ああいう作品が創作されるのかなとさえも。
社会経験という余計な色がついていない自由に描かれている3歳児の作品の数々「三つ子の魂百まで」という諺(ことわざ)に、思わずうなずける気がしました。
次に4歳児の作品を見てみましょう。
4歳児の作品も感性で描かれた絵が多いですね。
それでも3歳児とは微妙に違う気がしました。そういう比較ができるのも良いですね。
次に5歳児です。
木に止まっている多数の鳥を5歳児の感性で描かれた絵があるかと思えば、
こちらのように、大人の画家が描いたような作品にも見えるようなものを5歳児が描いているのもおもしろいですね。
いよいよ小学生の作品に代わります。まずは1年生から
これはまた力強い作品ですね。勢いを感じました。
2年生の作品です。少しずつきれいにまとまっている絵が増えてきているような気がします。
その中でも私はこちらが気になりました。クレヨンで力強く描かれている絵、多くの手があって何か大きな意味を無意識に訴えているようにも感じます。
3年生の作品はどうでしょうか?
色の塗り方がきれいになっています。ドラゴンの鱗の色合いもうまく使い分けていますね。
4年生の作品はどうでしょうか?雨の日をテーマにした作品が並んでいます。
雨の日の作品ではこちらが気になりました。後ろ姿で傘を全面に強調しています。
こちらには5年生の作品が並んでいました。
靴の絵と詩が書かれているものがあります。文学的な要素が加わっていますね。
こちらは蛍をテーマにした作品です。河内長野は駅の近くの川からでも蛍がみられるので、市の良さをアピールしているようにも感じました。
小学校の最年長6年生です。
6年生になると考えさせられるテーマを選んだ作品がありました。津波の絵のようです。河内長野は低いところでも海抜が70メートルくらいあるので、津波の可能性が限りなく低いのが幸いなかなと思ったりします。
さて、中学生の作品に移りましょう。真っ先に気になったのは、右側の鉛筆でデッサンしている絵です。
擬音の入れ方がマンガっぽさがありますが、写実的というかリアリティを感じます。
中学2年生はどうでしょうか?
和紙に炭で描かれたアート作品、感性に満ちているような気がしました。
さあ、最後は中学3年生。このアート展で最も年長者の作品です。
ここまで来ると見事なアート作品です。描いた人がそのままアート系に強い学校に進学したら、将来プロになるかもしれませんね。
この作品群も素晴らしいです。道の駅奥河内くろまろの郷とかで値札を付けたら売れそうですね。
ということで作品の大まかな内容と私が個人的に好きかなという作品をピックアップしました。
さていよいよお話を伺うのですが、この日は内本校長がどうしても外せない用事のため、その代わり東中学校の小林事務局長をはじめ、美加の台小学校の浦尾和久校長やおしお幼稚園の安本親之園長といった複数の先生方からお話を伺いました。
もともとキッズアート展はは30年ほど前に南河内地域全体で行われたそうです。しかし、諸事情によりいったん休止となりました。
しかし内本校長が中心となり「河内長野市だけでもやろう」ということで、10年ほど前から河内長野市内の幼稚園、小学校、中学校での作品展示が復活しました。
昨年も行うか悩んだそうですが、感染状況により中止、今年ようやく再開できたそうです。
作品についての選考基準は特になく、学校や園ごとに変わるそうです。特に優秀作品というわけではありません。小学校の例でいえば、13ある各小学校の1年から6年生の1クラスにひとつの作品が展示されています。
作品のテーマには特に決まっていないそうです。
また保育園(認定こども園)幼稚園、小学校でのつながりが深く、合同会議も定期的に行われているそうです。
絵の特徴としてのポイントを教えてもらうと、子どもたちのイキイキとした絵を見てほしいとのことでした。また年代による絵の違いもあり、中学生レベルになるとアニメやゲームの影響を強く受ける作品になるそうです。そういわれると確かにそんな気がしました。
また同時開催としてイベントホールのホワイエにて、「中世に出逢える町 河内長野」の映像(産業観光課からレンタル)の上映と、それにまつわる模造紙の展示(大阪府立長野高等学校の生徒が作成したものをレンタル)が行われています。
内本校長から次の伝言を頂きました。
「昨夏の京都国立博物館での展示を、このキッズアート展でも知ってもらえたらと思い、展示することにしました」
ということでキッズアート展を一足早く見てきました。年齢ごとに作風が見事に変わるのが面白く、どの年代も気になるアート作品があったのが印象的でした。
大げさかもしれませんが、このキッズの中からプロの芸術家、未来のピカソが登場するかもしれません。
今日と明日の2日間開催されているキッズアート展は無料で見ることができます。ぜひ多くの人に見てほしいと思いました。
かわちながのキッズアート展
住所:大阪府河内長野市昭栄町7-1
河内長野市立市民交流センター(キックス)4Fイベントホール
開催日:2月18日(土)・19日(日)
開催時間:10:00~17:00
入場料:無料
アクセス:南海・近鉄河内長野駅からバス 市民交流センター前バス停下車すぐ