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デラホーヤが輝かせたIBFウエルター級11位のサウスポー

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(C)Tom Hogan/Golden Boy

 ライアン・ガルシアが快勝した一戦のセミファイナルには、19勝(13KO)1敗でIBFウエルター級11位にランクされるアレックス・ロチャが出場した。このサウスポーは、試合会場となったクリプトドットコム・アリーナから車で南におよそ1時間の地、アーバインで1997年7月7日に誕生している。

(C)Tom Hogan/Golden Boy
(C)Tom Hogan/Golden Boy

 2012年のジュニアオリンピックで金メダルを獲得。同年、ロシアで開かれたヴェレズカップでは2位となる。6度全米王者となっており、アマチュア時代から注目される選手であった。

 ゴールデンボーイ・プロモーションと契約し、プロに転向したのは2016年1月。オスカー・デラホーヤは現役時代、メキシコ移民である自身の血と、アメリカ代表としてバルセロナ五輪で金メダルを獲得した誇りから、2つの国旗をトランクスに入れて戦ったことがある。ロチャもそんなデザインを模倣していた。

(C)Tom Hogan/Golden Boy
(C)Tom Hogan/Golden Boy

 掛け率30-1とロチャの圧勝が予想されたが、逃げ回る相手に攻めあぐみ、ノックアウトすることはもちろん、ダウンを奪うことも叶わなかった。とはいえ、100-90、100-90、99-91の3-0で、空位だったWBOーNABOタイトルを手に入れた。

(C)Tom Hogan/Golden Boy
(C)Tom Hogan/Golden Boy

 2020年以降、この試合を迎えるまで、1勝3敗の相手を仕留めきれなかったのは、今後のロチャの課題だろう。

 デラホーヤによって脚光を浴びることが出来た25歳は、次のステップに上がれるか。ウエルターの頂点、エロール・スペンス・ジュニア、テレンス・クロフォードに辿り着くには、まだまだ険しい道が待っていそうだ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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